「産む」を問い直す展示『産まみ(む)めも』が渋谷で開幕!現代社会における家族の形と多様な選択肢を探る
少子高齢化、不況、気候変動、個人の分断、感染症の拡大…。近年の変化し続ける社会で、私たちは多くの不安や生きづらさを感じています。そんな時代だからこそ、「これが社会の当たり前」と受け入れるのではなく、自分自身にとって本当に大切なものは何かを問い直すことが重要です。
この展示会『産まみ(む)めも』は、「産む」という行為を通して、現代社会における家族の形や、個人が抱える様々な価値観、そして人生の選択肢について深く考えさせられる機会を提供します。
「産む」は、誰にとっても普遍的なテーマ
「産む」という行為は、個人的な選択であると同時に、社会全体に影響を与える非常に公共的な側面も持ち合わせています。
結婚して子どもを産むという従来の物語は、依然として強い影響力を持っていますが、現実には、特別養子縁組や不妊治療といった選択肢も存在します。
現代社会においては、個人の価値観やライフスタイルが多様化し、家族のかたちも変化しています。しかし、多くの人は「産む」という行為について、日々の生活の中でじっくり話し合う機会がなく、タブー視されているような状況も少なくありません。
「産む」を多角的に考える、ワークショップと展示
『産まみ(む)めも』では、一般社団法人公共とデザインが、2022年4月から、様々な当事者や作家たちと共に行ってきたリサーチ&ワークショップの成果を展示します。
展示会では、不妊治療の経験者、特別養子縁組の養親、医師、看護師など、様々な立場の人々との対話を通じて生まれた作品やアイデアが紹介されます。
例えば、ワークショップで実際に使用された演劇ツールキット「産magination」では、参加者が不妊治療など様々な場面における夫婦のやり取りを即興で演じることで、自分自身の言葉では表現できない思いや無意識の偏見に気づき、そこから新たな対話を生み出すことを目指しています。
「産む」をテーマにした、多様な作家による作品
本展では、5組のアーティストによる作品が展示されます。各作家は、ワークショップで得たインスピレーションを基に、それぞれ独自の視点で「産む」というテーマを表現しています。
参加作家・作品概要
美術家:井上裕加里
「家族はどうしたら家族になれるのか?」という問いを、新たな家族の形を実践する人々へのインタビューを通して探求します。
美術作家:碓井ゆい
生殖補助医療の治療の中で凍結された胚たちの会話を通じて、私たちの「産む」という行為について考えさせられる作品です。
建築コレクティブ:GROUP
異なる家族形態を持つ世帯が、周囲に開いたり閉じたりしながら集まって暮らす住宅のあり方を調査・提案し、モックアップを制作しました。
デザイナーアーティストデュオ:TAK STUDIO
セクシュアルマイノリティの方々や不妊治療に悩む方々と話す中で生まれた、5種類の鳥の形をした張り子のお守り「ハリコドモ」を制作しました。
プロダクトデザインスタジオ:ふしぎデザイン
「産む」をテーマにした、様々な商品を100円ショップの材料を使って制作しました。
「産む」を考えるきっかけを、あなたに
『産まみ(む)めも』は、単なる展示会ではありません。
「産む」という行為を通して、現代社会における家族の形、個人の価値観、そして人生の選択肢について、参加者それぞれが深く考え、自分自身の「産む」の物語を紡ぎ直すきっかけとなることを目指しています。
ぜひ会場に足を運び、多様な視点から「産む」について考えてみてください。
開催概要
「産まみ(む)めも」
期間: 2023年3月18日〜23日
開館時間: 12時〜20時
入場料: 無料
主催: 一般社団法人 公共とデザイン
場所: OZ studio 渋谷(渋谷区東1-25-5 フィルパーク渋谷東3F)
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アクセス: 渋谷駅C1またはC2出口から7分、新南口6分
ウェブサイト: https://publicanddesign.studio/umamimumemo
一般社団法人公共とデザインについて
一般社団法人公共とデザインは、「多様なわたしたちによる公共」の実現を目指し、企業・自治体・共同体と実験を共創するソーシャルイノベーション・スタジオです。
住民との協働や生活者起点のリサーチ、実験やワークショップ等に基づく事業創出など、社会課題の当事者との協働からのプロジェクト創出に取り組んでいます。
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