無生物が主役の新しい絵本の魅力
絵本の世界は、常に私たちに新しい発見を提供してくれます。その中でも、最近特に注目を集めているのが無生物をテーマにした絵本です。2024年の第17回MOE絵本屋さん大賞で、新人賞の1位と2位を見事に獲得したのが、『ぎょうざがいなくなりさがしています』(玉田美知子/作)と『おふろさん』(せきぐちひろみ/作)です。
新人賞第1位:ぎょうざがいなくなりさがしています
この絵本では、「おおばまちにらやまのぎょうざがいなくなりさがっています」という町内放送から物語が始まります。主人公のとしおくんは、何故ぎょうざがいなくなったのかを想像し始め、その妄想が止まらなくなります。想像力豊かなとしおくんによって、ぎょうざは絵本の中で大いに動き回るのです。
としおくんの妄想を通じて、読者も一緒にぎょうざの冒険を楽しむことができます。この作品は、MOE絵本屋さん大賞のほかにも、未来屋えほん大賞やようちえん絵本大賞など、数々の賞を受賞しており、今後の活躍が期待されます。
新人賞第2位:おふろさん
もう一つの受賞作、『おふろさん』は、おうちのバスタブが自分もお風呂で気持ちよくなりたくて銭湯に出かけるという心温まるストーリーです。おふろさんは、自分より大きな湯船に浸かる姿が描かれ、寒い季節にぴったりのストーリーが展開されます。読むことで心も体も温まる一冊です。
無生物たちの可愛さに癒される
両作品の共通点は、動物や人ではなく、無生物が主役であるという点です。ぎょうざやバスタブといった身近なアイテムが、愛らしいキャラクターに変身し、読者を癒してくれるのです。この独特の視点は、絵本の新たな魅力として注目されています。
絵本界の注目株
今回のMOE絵本屋さん大賞では、無生物をテーマにした作品がトップに立ち、絵本・児童書業界でのトレンドを示しています。毎年、この賞の結果は絵本関係者にとっての一大事であり、発表後には、来年に向けての期待がさらに高まります。受賞タイトルは書店の絵本コーナーでも頻繁に見かけることでしょう。
2024年MOE絵本屋さん大賞新人賞結果
1位:『ぎょうざがいなくなりさがしています』(玉田美知子/作)
2位:『おふろさん』(せきぐちひろみ/作)
3位:『そうじきのなかのボンボン』(加藤絢子/作)
4位:『えっびっこのこだいきらい』(伊豆見香苗/作)
5位:『もののけしょくどううらめしや』(たにむらのりあき/作)
無生物が描く優しさは、特に冬の寒い時期にぴったりです。家でリラックスしながら、これらの絵本に触れてみてはいかがでしょうか。あなたも、きっと癒しの時間を体験できるはずです。