新技術が切り開く遺伝子導入の未来 - LINACYTE 3MCの登場
株式会社フォーディクスは、2025年2月4日より、世界初の商業化に成功した大気圧プラズマを活用した遺伝子導入装置「LINACYTE 3MC」の販売を開始しました。この革新的な装置の登場により、これまで多くの課題を抱えていた遺伝子導入技術に新たな光が差し込むことが期待されています。
プラズマ技術の革新
この装置は、大気圧プラズマ照射によって細胞が自発的に遺伝子を取り込む仕組みを利用しており、従来のエレクトロポレーション法やウイルスベクター法と比べて、安全性と効率性に優れた特長があります。特に、これまでの技術では細胞やDNAに対するダメージリスクが高かったのですが、LINACYTE 3MCは、細胞自身の機能を活かした「エンドサイトーシス」を促進することにより、細胞に対する負担を軽減しています。
この方法により、研究機関や医療機関では再生医療や遺伝子治療などへの応用が期待されており、その可能性は無限大です。新しい器具がもたらす未来を見据え、機関固有のニーズに応えるデモ機のレンタルも行われます。
遺伝子導入技術の課題
従来の技術には多くの課題がありました。例えば、製品化されている遺伝子導入技術は、細胞障害性や導入効率の低さが問題視されていました。その結果、特に遺伝子治療の分野においてはウイルスベクターの副作用による研究の中断が相次いでいました。これに対しLINACYTE 3MCは、これらの課題を克服するために開発された画期的な技術です。
高い導入効率と安全性
LINACYTE 3MCによる遺伝子導入は、80%以上の生存率を維持しながら、導入効率が50%以上に達します。興味深い点は、GFP(緑色蛍光タンパク質)の発現後、細胞へのダメージが従来技術に比べて圧倒的に少ないことです。この装置では、エレクトロポレーションの約97分の1、リポフェクションの約41分の1の輝度を示し、安全性が高いことが実証されています。
経済性も高く、1ウェルあたりのコストは約83円に過ぎません。また、プラスミド添加から導入完了までわずか約13分という迅速さも特徴です。
製品の可能性
プラズマ分子導入法は、医療だけでなく、農業や創薬といった多様な産業での応用が期待されています。特に、食や美容に関連する産業への導入が進むことで、より多くの人々の生活に寄与できる可能性があります。
デモ機レンタルの提供
株式会社フォーディクスは、各分野の研究機関や医療機関に向けてデモンストレーション機のレンタルを開始しました。最新の機器を実際にお試しいただくことで、導入効率や細胞への影響を評価し、さらに研究の加速につなげることが可能です。機器の詳細やレンタル条件については、気軽にお問い合わせください。
まとめ
LINACYTE 3MCの登場は、遺伝子導入技術に革命をもたらすと同時に、新たな治療手法や産業応用の道を切り開くことが期待されています。株式会社フォーディクスの革新的な取り組みは、今後の医療と産業に大きな影響を与えることでしょう。