自動車業界のセキュリティ未来図「Pwn2Own Automotive 2026」
自動車業界は、日々進化するテクノロジーと共にサイバーリスクも増大しています。このような背景の中で、2026年1月21日から23日の三日間にわたり開催された「Pwn2Own Automotive 2026」は、リサーチャーたちによるゼロデイ脆弱性の発見を目指したコンテストです。
本コンテストは、トレンドマイクロの子会社であるVicOneが主催し、世界各国のトップクラスのエンジニアたちが集結。この行事では、車載OSやIVI(車載インフォテインメント)、EV(電気自動車)充電インフラなど、多岐にわたる自動車関連システムを対象にした脆弱性の発見が期待されました。
参加チームと成果
今年は、日本を含む16の国から38チームが参加。コンテスト期間中に合計76のゼロデイ脆弱性が報告され、全体の賞金総額はなんと1,047,000ドルに達しました。この結果は、セキュリティの重要性が年々高まり続けていることを如実に示しています。
特に注目すべきは、ドイツからの「Fuzzware.io」というチームです。このチームは、EV充電器を対象にした複数の成功例を挙げ、最終的に「Master of Pwn」の称号を手にしました。彼らの技術力と創造性が評価され、この大会での偉業が実を結びました。
経済産業省の期待
閉会式では、経済産業省のモビリティDX室に所属する箕輪玲南さんが登壇し、サイバーセキュリティの重要性について語りました。箕輪さんは、自動車業界が直面するサイバーリスクへの取り組みの必要性を強調し、「未来の安全」を築くための実践の場として本大会の意義について評価しました。
ゼロデイ脆弱性とその後の対応
参加チームが発見した脆弱性は、各ベンダーに報告され、修正が進められます。その詳細は、コンテスト終了後の120日以内に発表されることが予定されています。この流れは、業界全体のセキュリティ基盤を強化することに寄与するでしょう。
VicOneとトレンドマイクロの役割
VicOneは、「Pwn2Own Automotive」を通じて自動車セキュリティの向上に取り組んでいます。この大会は、未知のリスクを早期に発見し、対策を講じるための重要なステップです。また、業界全体のセキュリティ基盤の強化に寄与するため、発見された脆弱性が次の安全対策へと結びつく道を提供します。
トレンドマイクロの脅威研究部門バイスプレジデント、ブライアン・ゴレンク氏も、参加したリサーチャーたちの努力を称え、今回の成果が自動車セキュリティ分野での大きな前進であると語りました。また、VicOneのCEO、マックス・チェン氏は、今回の成果が業界全体の安全の向上に向けた重要な指針となることを確認しました。
まとめ
「Pwn2Own Automotive 2026」は、単なる脆弱性発見に留まらず、業界の未来に目を向けた重要な取り組みでありました。このイベントを通じて得られた知見や技術は、今後の自動車産業におけるサイバーセキュリティ戦略の基盤となることでしょう。
今後も安定した自動車産業の発展に向けた取り組みが求められています。そして、次回はさらに革新的な進展が期待されることでしょう。