スマホ時代の子どもたち、読書離れが加速中 - 調査結果から見える影響

近年、子どもたちの読書習慣が危機的状況にあることが、株式会社ベネッセコーポレーションの調査で明らかとなりました。調査によると、なんと52.7%の子どもたちが「読書をしない」と答えており、10年前の34.3%と比べると1.5倍に増加しています。この傾向は、小学生から高校生にかけても顕著で、特に小学校4年生以上では読書時間が著しく減っています。

具体的な数字を見てみると、小学校4~6年生での読書時間は6.3分、中学生で5.9分、高校生では4.9分減少しています。このように、読書時間が減少する中で、スマートフォン（スマホ）使用時間は逆に増加しています。2015年から2024年にかけて、小学校4~6年生は22.4分、中学生は51.9分、高校生は42.5分の増加が見られました。これらのデータからもわかるように、スマホを使う時間が長い子どもほど読書時間が短くなる傾向があり、スマホの影響が強く表れています。

この調査では、特に印象的だったのは、スマホの使用時間が子どもの語彙力や読解力に影響を及ぼすことです。読書時間が長い子どもほど語彙力が高く、中学3年生や高校3年生においては、ある一定の時間（5～15分または30分）の読書が読解力の向上と関連していることが確認されています。これらの結果は、読書が知識や言語力の強化においていかに重要であるかを示しています。

また、興味深いことに、保護者が自ら読書をしていたり、子どもに読書の大切さを伝えている場合、子どもの読書時間が長くなる傾向があります。保護者自身の学びが子どもに良い影響を与えるというのは、教育上重要なポイントです。このように、家庭環境や保護者の行動は、子どもたちの読書習慣に直結していることがわかります。

しかし、ここで警鐘を鳴らす必要があります。読書から遠ざかることは、思考力や想像力の低下を招き、学力にも悪影響を及ぼす可能性があります。読書がもたらす効果は計り知れないものであり、子どもたちが豊かな読書体験を持つことは、彼らの成長や将来にとっても重要です。

結論として、読書離れは社会全体に影響を及ぼす問題であり、子どもたちの健やかな育成のために、家庭や学校が一体となって読書を促す環境を整えることが求められています。デジタル時代においても、子どもたちが本と親しみ、多様な知識や思考力を身につけるための取り組みが急務です。今後の社会において、読書が必須であることを忘れずに、日常生活の中に取り入れていくことが大切です。