山口 規子 写真展「KIKORI 木は長い夢を見る」
2024年9月17日から、株式会社ニコンイメージングジャパンが主催する山口規子の写真展「KIKORI 木は長い夢を見る」が、ニコンプラザ東京と大阪で開催されます。この展覧会は、自然と人間のつながりを深く探求した作品で構成され、訪れる者に深い感動を与えることが期待されています。
作家の思い
山口規子さんは、山々と木々が持つ美しさだけでなく、それらに宿る深い歴史や人々の思いを追い求めてきました。彼女は和歌山県の龍神温泉を訪れた際、荒れた山の姿に心を痛め、地元の人からの話に耳を傾けながら「山が泣いている」と感じました。この出会いが、彼女の作品に対するアプローチを変えるきっかけとなったのです。
石ヶ守勲との出会い
この写真展で特に焦点となるのは、青森県新郷村の林業家、石ヶ守勲さんとの出会いです。95歳の石ヶ守さんは、若き日に自らの山を持ち、日々の生活の中で木々を育てていました。山口さんは彼に強い興味を抱き、撮影を開始します。彼女は、石ヶ守さんが山を愛し、その知識を深めていく過程を情熱を持って捉えました。
コロナ禍の影響
しかし、2020年に突如訪れたコロナ禍により、撮影は一時中断せざるを得なくなります。再び青森を訪れることができたのは2022年の春。それから数ヶ月後、石ヶ守さんは99歳で亡くなってしまいます。このことは山口さんにとって大きな悲しみであり、同時に写真展への気持ちをさらに強くする出来事となりました。
KIKORIの物語
山口さんが撮影した作品は、林業の一端を伝える力強いものであり、同時に人々が山や木に対する理解を深めるための道しるべともなります。「KIKORI」は単なるインスタレーションや視覚的な作品だけでなく、深いメッセージを秘めています。木が成長し、山を形成し、家になる。その過程を通して、我々人間の存在も自然とのつながりの中にあることを再認識させてくれます。
展覧会詳細
設備と時間
- - 会場: ニコンプラザ東京THE GALLERY、ニコンプラザ大阪THE GALLERY
- - 展示期間:
- 東京: 2024年9月17日(火)~9月30日(月)
- 大阪: 2024年10月10日(木)~10月23日(水)
- - 開館時間: 10時30分~18時30分(日曜日休館/最終日は15時まで)
THE GALLERYの役割
「THE GALLERY」は、2017年に東京と大阪で開設され、写真文化の普及と質の向上を目指しています。ここでは、著名な写真家による企画展だけでなく、様々な写真団体の展覧会も開催され、幅広いジャンルの作品が楽しめます。山口規子の「KIKORI 木は長い夢を見る」展は、その一環として特別な意味を持つものになることでしょう。
ぜひ、自然と人間の絆を感じるこの素晴らしい写真展に足を運んでみてください。