無言館館主が語る戦争の記憶と未来へのつながり

無言館と窪島誠一郎さんの想い

長野県上田市の「無言館」は、戦没画学生たちの遺作を集めた特別な場所です。館主の窪島誠一郎さんがこの館を設立してから28年が経過しましたが、ここには戦争の痛みとともに、若きアーティストたちの未完の情熱が宿っています。第80回の終戦を迎え、時代が変わる中で、無言館が果たす役割や、その未来について窪島さんはどのように考えているのでしょうか。

無言館の設立背景

無言館は、戦争の影響で命を落とした多くの若者たちの作品を通じて、彼らの人生や夢に光を当てることを目的としています。窪島さんは全国各地を巡り、戦没画学生の作品を集めてきました。彼の言葉を借りれば、これらの作品は「無言の声」として、彼らの苦しみやその思いを語り続けています。

無言館の独特なデザイン

館の設計は窪島さん自身が手がけており、上空から見ると十字架の形をしています。このデザインには深い意味が込められており、静まり返った館内では、収蔵作品が無言で来館者を見つめ、その存在感を放っています。

終戦80年を経て

終戦80年という節目は、戦争の記憶が薄れる中で、私たちが今何をすべきかを考えさせられる重要な時期です。窪島さんは「無言館」を今後も未来につなげていくために、『語る』ことの意義についても考察しています。彼は、作品の背後にある物語を伝え続けることで、戦争の悲劇を風化させず、次の世代に引き継いでいく必要性を強調しています。

新たな出版物も

最近では、新刊『イーゼルの丘から終戦80年「無言館」の明日』（白水社）が刊行され、より多くの人々に無言館の思いを伝えることが期待されています。講座の後にはサイン入り書籍の販売も予定されており、その内容は多くの人々にとって新たな視点を提供することでしょう。

参加のご案内

「無言館」が主催する特別講座では、窪島誠一郎さん自身が語る貴重な機会が設けられています。2025年11月15日（土）14:00から、松本iCITY21教室で開催されるこの講座では、参加者が直接、彼の情熱や思いに触れることができる貴重なチャンスです。参加費は会員・一般ともに3,432円（税込）で、予約が必要です。