接客体験がリピート意向に及ぼす影響とは?接客品質のばらつきが問題に
株式会社東邦メディアプランニングが実施した「接客体験の良し悪しと再利用意向に関する意識調査」によれば、接客体験がリピートの意向に大きく影響していることが明らかになりました。この調査では、全国の20〜50代男女300名を対象に行ったもので、接客の良し悪しによって顧客の再利用意向が大きく変動することが分かりました。具体的には、回答者の約78.3%が接客体験が自分のリピート意向に影響したと回答しました。
調査の背景と目的
サービス業は「飲食店」や「旅行業」、さらには「ホテル」など、顧客と直接接する機会が多い業種です。昨今では人手不足が深刻化しており、質の高い接客が提供困難な状況に陥っています。特に、担当者による接客の品質がばらつく場合が多く、その影響で顧客は「満足」や「不満」を感じやすくなります。この浮き沈みがサービス業界全体の信頼性にも影響を与えているといえるでしょう。
お客様に安定した体験を提供するためには、接客品質を標準化し、個々の担当者のスキル差を埋める取り組みが急務であると考えられます。この調査は、その実態を可視化し、今後の業界改善への示唆を得ることを目的として実施されました。
調査結果の要点
過去3ヶ月間の接客体験について「良い体験だった」と感じた人は84.0%。接客体験がリピート意向に影響した人は78.3%で、特に「非常に良い体験」をした割合は95.0%に上りました。一方で、良いサービスを受けた際に別の担当者の対応に不満を感じた割合は60.3%に達し、約6割の人が再利用時の期待感を損なわれたと感じていることが示されています。
また、がっかりしたポイントの上位には「対応のスムーズさ・段取り」と「言葉づかい・態度」がそれぞれ44.2%で並びました。基本的な要素が非常に重要である一方で、顧客の期待を超える配慮も求められるといえるでしょう。
接客における基本動作とは?
調査によると、顧客の印象を大きく左右する3大要素は「説明のわかりやすさ」(48.0%)、「対応のスムーズさ」(45.0%)、「言葉づかい・態度」(43.3%)で、これらの基本的なスキルが接客の質を決定づけています。これに対して、顧客からの期待値が低い「気配り・先回りされた配慮」(9.3%)や「提案の的確さ」(6.3%)はあまり重視されていないことが浮き彫りになりました。
一部では、気配りや先回りされた対応が評価されづらい一方で、不十分な場合には顧客に強い印象を与えることが確認されています。特に、混雑時の柔軟な対応は顧客の体験を大きく左右する要素になるため、一定のサポート体制を含む接客基準の確立が望まれます。
品質のばらつきをどう解決するか
接客サービスの資質は、組織全体として安定した品質を保つことが求められています。船坂氏のコメントによれば、ホスピタリティの共通価値を組織として共有することが重要です。「そのお客様にどう向き合うのか」という考え方を明確にし、個々のサービス提供者が同じ価値観で行動できる環境を整えることが、再現性のある良い体験を提供する鍵になるでしょう。
この調査を通じて、接客体験の品質を高めるためには、個々のスキルの強化とともに、組織的なホスピタリティ文化の浸透がどうしても不可欠であるとの結論が得られました。接客体験の再現性が問われる中、今後はマニュアルだけに頼らず、サービスの質を向上させるための柔軟な対応と共感が求められるでしょう。・