トラックドライバーの負担軽減に向けた新しい技術
2024年4月の労働時間規制が迫る中、大和運送業界が直面しているのは「ドライバーの情報収集に伴う課題」です。多重下請け構造の影響で、元請からの情報がドライバーに伝わりづらく、彼らは仲間と情報を交換したり、電話で確認したりするなど、苦労を強いられています。このような背景を受けて、大和物流株式会社と株式会社Hacobuが連携し、トラックドライバーのための新たな支援策を打ち出しました。
荷物の運搬がスムーズに
大和物流は、「MOVO Driver」というスマートフォンアプリを通じて、同社の18拠点における必要な「軒先情報」を公開します。この取り組みにより、受付時間や入場口、周辺道路の状況など、荷物の積み下ろしに必要な情報を、ドライバーはアプリを介して容易に得ることができます。これにより、ドライバーは自らの情報収集の負担を軽減し、より効率的に業務に取り組むことが可能となります。
背景にある業界の課題
現在、物流業界ではドライバー不足が深刻化しています。トラック運送の多重下請け構造は情報伝達を相当に分断し、重要な情報がドライバーに届かないことがしばしばです。Hacobuによるヒアリングでは、ドライバーたちの不安要素として、「物流センターへの入場時間が不明」「初めての場所での通行に不安を感じる」といった声が挙がりました。これらの問題に対応する形で、MOVO Driverの活用が進められます。
MOVO Driverの具体的な機能
「MOVO Driver」は、全国の物流センターや大型車が停車可能なポイントをマップ上で確認できる機能を備えています。利用者は、アプリ内の「物流情報マップ」から、次のような情報を一元管理できます:
- - 受付時間
- - 受付場所
- - 夜間受付の有無
- - 構内での待機可否
- - 荷役時の連絡方法(電話やショートメッセージ)
今後の展望
大和物流は、今後も「MOVO Berth」の導入を進め、2025年末までには50拠点以上に拡大する計画です。この取り組みを通じて、荷待ち時間や荷役時間の可視化を促進し、具体的な課題解決に向けて動き出します。
各社からのコメント
大和物流の業務推進部長は、MOVO Berth導入の意義として、「ドライバーに負荷をかけない」環境を整えることの重要性を語っています。また、Hacobuの製品マネージャーも、この新たな取り組みが物流業界全体の課題解決に寄与することを期待しています。
大和物流とHacobuの紹介
大和物流は、1959年に設立された企業で、現在は全国に109ヵ所の物流センターを展開しています。また、Hacobuは、クラウド物流管理ソリューションを展開する企業として、業界の革新を牽引しています。これらの企業の協力が実を結び、物流業界が新たなステージに進むことが期待されています。