2026年卒採用が高難易度とされる背景
株式会社学情が実施した調査によると、2026年卒採用において「難しい」と答えた企業がなんと80%を超える結果が出ました。この傾向は、近年の学生数の減少や、売り手市場の影響で、企業の採用活動がますます難しくなっていることを反映しています。
難しさを指摘する企業の声
具体的には、以下のような理由が挙げられています。まず、学生数が減っているため、企業一社あたりのエントリー数も減少している点です。さらに、売り手市場であり、学生側の辞退率も高いため、企業はより厳しい状況に直面しているといいます。多くの企業が「絶対的な母数不足」に悩み、採用手法が多様化しているものの、その質が低下しているとのことです。
また、早期化や長期化が進行し、採用市場が二極化されているため、企業はますます読みづらい状況に置かれています。「特に理系人材の獲得が難しい」という声も多く聞かれました。
企業の新たな戦略
このような難易度の高まりを受けて、企業は新たな戦略を模索しています。特に注目されているのが「20代通年採用」です。2026年卒採用において、既卒や第二新卒を対象にした「20代通年採用」を実施している企業が51.9%を占め、新たな人材確保の手法として定着しつつあることが分かります。
また、導入を検討している企業も25.2%に上り、採用市場の変化に迅速に対応する姿勢が見られます。前年同時期の調査では、既に実施しているとの回答が57.3%だったため、導入企業は減少傾向にあるものの、依然として広がりを見せています。
調査の背景
この調査は、2025年6月18日から30日までの期間に、株式会社学情が企業・団体の人事担当者を対象に行ったものです。有効回答数は735社に上り、企業の採用活動に対するリアルな声を集めました。帝国データバンクが取り上げる企業の、質が求められる新卒採用環境がどのように変化しているか、今後の課題も浮かび上がります。
まとめ
2026年卒採用が難しいとされる背景には、学生数の減少や売り手市場の影響がある中、企業は採用戦略を見直しています。特に20代通年採用の動きが強まっていることから、企業は多様な人材確保の方法を模索していることが分かります。今後の採用市場がどのように変化していくのか、注意深く見守る必要があるでしょう。