依存症支援に尽力する北九州マックが社会貢献者表彰を受賞

福岡県北九州市に位置する地域活動支援センター「北九州マック」が、公益財団法人社会貢献支援財団より「第62回社会貢献者表彰」を受賞しました。この表彰は、さまざまな社会分野で顕著な貢献をした個人や団体に贈られるものです。表彰式は12月2日、東京都千代田区の「帝国ホテル東京」で行われ、「北九州マック」の高田和久・統括施設長が出席しました。

依存症支援活動が高く評価

公益財団法人社会貢献支援財団は、1971年に設立され、社会に貢献しているが十分に評価されない個人や団体を対象に表彰を行っています。候補者は広く一般から推薦され、選考委員会による厳正な審査を経て選出されます。北九州マックが評価されたのは、地域に根ざした依存症支援の活動です。

選考委員会の内館牧子・委員長は、精神的、肉体的な苦労と危険な状況の中で尽くされた功績を称え、今回の受賞が依存症対策における重要な一歩であることを強調しました。

北九州マックとは

「北九州マック」は、2012年6月に開設され、地域の依存症者の日中の居場所が不足していたことを受けて設立されました。ここでは、アルコールやギャンブル、ゲームなどの依存症者を支援するだけでなく、触法依存症者にも対応しています。多様な依存症からの回復と成長を目指し、幅広い支援活動を行っています。

主な支援内容には、カウンセリングや12ステッププログラムの実施、分かち合いミーティング、自助グループの開催が含まれます。また、訪問介護や金銭管理、通院支援、地域清掃、レクリエーションプログラム、リカバリーパレードなどを通じて地域との連携を強化し、依存症者を支援しています。

特に女性依存症者を対象とした隔週ミーティングや、依存症者を家族に持つ方のための家族会も行っています。さらに、グループホームを8か所運営し、共同生活を通じて仲間との連携を深め、孤独感を和らげる取り組みもしています。

今後の展望

「北九州マック」は、2024年1月に自立訓練・生活訓練に特化した新しい事業所「北九州マックネクスト」を開設予定で、さらに幅広い支援を目指しています。依存症回復支援を地域社会に広めるための活動は、今後も続けられることでしょう。

依存症回復支援の輪を広げる

特定非営利活動法人ジャパンマックは、1978年から全国各地で依存症に悩む人々とその家族を支えてきました。福岡市や北九州市などでは、特に小規模な地域での施設展開が難しいことから、地域に根ざした回復支援のネットワークを構築する上で重要な役割を果たしています。

「北九州マック」は、依存症者が地域で回復できる体制を作るために、これからも動き続けます。地域社会への貢献を通じて、依存症の支援と回復の意義を広めていくことで、多くの人々の力になることを目指しています。