大和ハウス工業の新たな挑戦 ~ブルーリッジコマースセンター着工~
2024年8月12日、国内不動産大手の大和ハウス工業株式会社が、米国テキサス州ヒューストンにおいて「Blue Ridge Commerce Center(ブルーリッジコマースセンター)」という新たな物流施設の開発に着手しました。このプロジェクトは、大和ハウスにとって米国初の試みであり、マルチテナント型の平屋建て物流施設を5棟建設する計画です。敷地面積は約371,259㎡、延べ床面積は125,471㎡という規模を誇ります。
このブルーリッジコマースセンターは、ヒューストンの南西部に位置し、周辺には世界最大規模の医療研究施設「テキサスメディカルセンター」があります。また、ヒューストンの中心部から約34km、主要産業道路にも近接しており、空路、陸路、海路の各交通手段へのアクセスも良好です。この立地条件は、急激に進化するEC市場への対応や、地域の物流需要に応える上で重要な要素となっています。
大和ハウスの米国事業は、賃貸住宅や戸建住宅、商業施設などさまざまな分野にわたって拡大を続けています。2023年度には米国事業の売上高が5,000億円を超え、2024年度の見込みは6,511億円に達する見込みです。同社は国際的な展開を加速する中で、この物流施設が今後の成長を牽引すると期待しています。
開発背景と地域の特性
ヒューストンは、米国における石油・エネルギー産業の中心地であり、また多くの就業機会が集中しています。過去10年間で人口が約9.5%増加し、ECや物流需要の継続的な増加が見込まれています。特に、ヒューストン港の取扱貨物量は昨今急増しており、この地域における物流の重要性はますます高まっています。また、物流施設の空室率は低下傾向にあり、今後も安定した需要が予想されます。
建設計画と持続可能性
ブルーリッジコマースセンターは、ヘルスケアやエネルギー、飲食業、消費財、製造業、物流業など幅広い分野のテナントが入居することを見込んでいます。全5棟が「LEED Certified」を取得予定であり、1棟では太陽光発電設備が設置されるなど、環境への配慮も考えられています。これにより、入居企業の脱炭素化をサポートし、持続可能な社会づくりに貢献する姿勢が強調されています。
今後の展望
このプロジェクトは、2025年8月の竣工を予定しており、入居は同年9月から開始される見込みです。大和ハウス工業は、米国での成長を目指し、この拠点を起点にさらなる事業展開を進めていく方針です。物流施設開発は、今後も米国及びASEAN地域で重要なビジネスとなると見込まれており、この新たなプロジェクトがどのように展開されていくのかに注目が集まっています。