日本キヤリア株式会社が、新たにデータセンター向けに特化したモジュール型空冷チラー「ユニバーサルスマートX(USX)EDGE」を発表しました。これは高温冷水域での省エネルギー性能をさらに向上させたものであり、停電からの容量100%回復にかかる時間の短縮を実現しています。この新製品は、特にデータセンターが持つ特異な運用ニーズに対応することを目的としています。
日本キヤリア株式会社は、グローバルなエネルギー効率に優れたソリューションで知られるCarrier Global Corporationの日本法人として、特に日本国内でのデータセンター需要の増加に応じた製品展開を進めています。日本国内ではエネルギーコストが高騰する中、企業のIT投資が増加し、メガクラウドサービスの利用が進展、さらには生成AIの普及などにより、データセンターとそのインフラの重要性はますます高まっています。
この背景のもと、日本キヤリアは「ユニバーサルスマートX (USX) EDGE」に目を向け、すでに多くの導入実績を持つモジュール型チラーをデータセンター向けに最適化しました。USXシリーズは2006年に初めて登場し、全密閉型ロータリーコンプレッサを搭載することで進化を遂げ、現在ではデータセンターを含む多様な商業用施設において70,000台以上が導入されています。
近年、データセンターにおいては、冷却水として20℃以上の高温冷水が利用されることが一般的になってきています。しかし、従来の低温冷水専用に設計されたチラーでは、これに対応するのが難しいという問題がありました。「ユニバーサルスマートX (USX) EDGE」は、この高温冷水での運転を可能にすることで、データセンターにおける冷却効率を高め、エネルギー消費を抑える役割を果たします。
さらに、データセンターが停電後に冷水供給を迅速に再開できるように、再起動から100%運転に戻るまでの時間を大幅に短縮しました。60HP仕様では117秒、70HP仕様では150秒という短時間で復帰でき、従来のデータセンターモデルと比較しても格段に改善されています。この復帰時間の短縮は、システムの運用安定性を高めます。
また、PWMコンバータを標準装備することで、高調波の抑圧にも対応しました。電流歪率を5%未満に抑制することで、自家発電機の容量を減らし、電源設備の小型化を促進します。これにより、機器の誤作動リスクや発熱、さらには電力品質の低下といった問題を軽減することも可能です。
日本キヤリアの丸山峰生代表取締役社長は、「この製品は、データセンターが求める高温冷水域での効率改善と復帰性能の向上を追求したものです」と述べており、様々なデータセンター運営のニーズに応えると自信を見せています。地域や業界における規模や用途の違いを考慮しつつ、信頼性と省エネルギーの両立を図ることができるとして期待を寄せています。
日本キヤリアでは、家庭用から商業用、工業用まで幅広い分野で持続可能なエネルギー効率の高いソリューションを提供しています。今後もビジネスの現場での使用促進や環境問題への対応を図るため、革新を続けていく方針です。