小泉八雲の新たな一歩、記念の新刊『黒い蜻蛉』の詳細
2024年8月30日、大きなメモリアルイヤーにあたる小泉八雲の没後120年を記念して、株式会社佼成出版社から新たな書籍『黒い蜻蛉――小説 小泉八雲――』が発行される。この作品はジーン・パスリーが著し、小宮由が翻訳を手がけた初の邦訳伝記小説であり、八雲の魅力を再発見するための貴重な一冊だ。
『黒い蜻蛉』の魅力とは
この書籍は、小泉八雲の人生の重要な局面を描写している。彼は幼少期から様々なコンプレックスに悩みつつも、日本という国と運命的な出会いを果たす。それ以来、八雲の人生は新たな展開を迎え、日本文化への深い愛情が芽生えていく姿が描かれている。彼の旅路を追いながら、日本人よりも日本を愛した男としての八雲の全貌を示している。
特に、横浜から松江への旅の描写や、武家の娘・セツとの出会い、息子の誕生、日本への帰化、そして富士山への登頂という彼の重要な出来事が、豊かな表現力で息づいている。
作品の特色
本作の特色は、八雲が日本の怪談を世界に広めたことに触れつつ、彼の生涯を通じての成長を描いている点だ。「雪女」や「耳なし芳一」、「ろくろ首」などの伝説に親しむ八雲の姿は、彼の作品が生まれる背景を理解する上でも重要である。
また、小泉八雲のひ孫であり、小泉八雲記念館の館長である小泉凡氏が推薦している。この作品は「生きるとは何か」という普遍的な問いを、現代の読者に投げかける内容となっている。八雲の姿を通して、私たち自身の日常を見つめ直す機会を提供している。
特設サイトと関連情報の展開
新刊『黒い蜻蛉』の刊行に際し、特設サイトも開設されている。このサイトでは書籍の詳細情報だけでなく、著者ジーン・パスリーからのメッセージや、小泉八雲に関連する施設のリンクも掲載されている。新たな読者がこの魅力的な歴史上の人物を知り、彼の作品に触れるための有益な情報を提供している。
特設サイトへのアクセスは
こちら。
作者と訳者の紹介
著者のジーン・パスリーは、ニューヨーク大学で映画を学び、多彩な脚本家として活動している。日本語の知識も有し、長年日本に住んでいた経験があるため、本書には日本との深いつながりが表れている。
訳者の小宮由は、子ども向けの本を中心に多くの翻訳を手がけていて、彼女の視点からも八雲の魅力が引き出されている。彼女の家族も文化的なバックグラウンドを持ち、豊かな文学の道を歩んできた。
まとめ
小泉八雲の作品と人生に対する新たな視点をもたらす『黒い蜻蛉――小説 小泉八雲――』は、文学ファンだけでなく、広く文化に興味を持つ全ての人々にとって、手に取る価値のある一冊である。2024年の発売を心待ちにしよう。