伝統技術を現代にインスパイアした牛首紬展が金沢で開催

牛首紬伝統の新たなかたち展が金沢で開催

2023年12月11日から12月13日まで、石川県の金沢市に位置するしいのき迎賓館にて、「牛首紬伝統の新たなかたち展」が行われます。このイベントは、日本の伝統的な織物である牛首紬を新たなスタイルで提案するものです。プロジェクトARLNATA（アルルナータ）が、牛首紬の織元である白山工房と共に、反物から洋服への仕立てをご紹介します。

ARLNATAは、エルメス出身の日本人デザイナー寺西俊輔が手掛ける新たなファッションブランドです。彼のデビューコレクションでは牛首紬が重要な素材として用いられ、各地で報道発表が行われています。特に、今年9月には伊勢丹新宿店でのコラボレーションイベントも好評を得ました。

今回の展示では、牛首紬を使用した特製ロングコートやシャツコートが披露されるほか、来場者自身が選ぶことで、オリジナルアイテムを誂えるオーダー企画も提供されます。家族や友人同士でシェアしたり、特別なプレゼントとして思い出に残る一着を作成できる貴重な機会でもあります。

牛首紬はおおよそ800年以上の歴史を持ち、霊峰白山の自然の恵みを元に織られる日本三大紬の一つです。特に「玉繭」という特別な繭から生まれる糸を用いて作られており、その手法は代々受け継がれてきた伝統技術「のべびき」に由来しています。この手作業による糸取りの技法が、牛首紬独特の質感と魅力を生み出します。

また、近年では欧米のファッションブランドからも注目を集めており、パリ・オートクチュール・コレクションにも採用されるなど、国際的な評価も高まっています。牛首紬は単に着物生地としてだけでなく、現代のファッションシーンにおいてもその価値を発揮し続けています。

金沢のしいのき迎賓館で開催されるこの展示では、昨年よりもさらに魅力的な新作が披露される予定です。「ARLNATA」と牛首紬が生み出す新たな価値を是非実際に体験してみてください。会場へのアクセスも便利で、金沢城を望む特別な場所で、伝統と革新が融合した作品を楽しむことができます。