CDN技術を利用したインターネットトラフィックの分散実験
株式会社ファイバーゲート(証券コード: 9450)と株式会社朝日ネット(証券コード: 3834)、株式会社Jストリーム(証券コード: 4308)の三社は、共同でCDN (Content Delivery Network)技術を用いたインターネットトラフィック分散に関する実証実験を開始すると発表しました。この取り組みは、通信技術の進化と情報処理の効率を向上させることを目指しています。
実証実験の背景
この実証実験は主に2つの目的を持っています。まず第一に、データ通信量の増加に対応するための通信アーキテクチャの検証を行います。具体的には、キャッシュサーバーを分散配置することでインターネットトラフィックの最適化を試みます。次に、東京圏と地方のデータ通信量の圧縮とパフォーマンス向上を目的とします。都市圏に集中しているデータセンターの現状を踏まえ、地方ユーザーの通信遅延を解消するための対策を模索します。
実証実験の内容
実験に先立ち、ファイバーゲートが開発した小型キャッシュサーバーを、自社が管理するネットワークに設置し、小規模キャッシュシステムを構築します。このシステムを活用して、東京圏と地方間のデータ通信を抑制し、配信パフォーマンスを評価します。この実証実験を通じて、システムの性能や信頼性、負荷分散、通信遅延の影響についての知見を蓄積し、次世代のコンテンツ配信に活かす方針です。
実施のスケジュールと体制
この実証実験は2025年4月から実施される予定です。実施体制については、以下のようなフローで技術的な連携を検証していきます。
1)小型キャッシュサーバーの開発とネットワーク提供に関する部分は朝日ネットが担当します。
2)ファイバーゲートは、小型キャッシュサーバーの設置スペースや電力供給を行いつつ、建物内ネットワークの提供と運用保守を実施します。
3)最後に、Jストリームが小型キャッシュサーバーのソフトウェア開発とオペレーションを担当します。
企業情報
株式会社朝日ネット
朝日ネットは、1990年に設立されたインターネット接続サービスの提供企業です。「ASAHIネット」の運営を中心に、関連サービスの開発と販売にも力を入れています。
株式会社Jストリーム
1997年に設立されたJストリームは、動画配信を主な事業とし、動画コンテンツの制作やシステム開発も手がけています。年間1,200社以上の企業が同社のサービスを利用しています。
株式会社ファイバーゲート
ファイバーゲートは、Wi-Fiソリューションを中心に賃貸物件オーナー向けや商業施設向けのサービスを提供しています。
この共同実証実験は、通信技術の発展とともに、デジタル社会における利便性向上に寄与することが期待されています。