BioPhenolicsが非可食バイオマスの量産化に向け資金を調達
筑波大学から誕生したBioPhenolics株式会社が、1.5億円の資金調達を行ったことを発表しました。この会社はサステイナブルな循環型社会の実現を目指し、非可食バイオマスを原料にした化学品の生産に取り組んでいます。通常の石油由来材料からの脱却を図るこの試みは、多くの企業と連携しながら進行中です。
資金調達の背景と目的
最近の環境問題や脱炭素社会の必要性が高まる中、BioPhenolicsではスマートセル開発技術を採用し、非可食バイオマスから芳香族バイオ化学品の大規模生産を開始する計画を進めています。今回調達した資金は、つくば市の研究開発拠点を設立し、ベンチスケールの発酵槽(90L)や精製設備を導入するために使用されます。この設備により、具体的な製品サンプルをキロ単位で提供できる体制が整い、さらなる研究開発が加速します。
企業の成り立ちと専門性
BioPhenolicsは、20年間にわたり微生物による芳香族代謝の研究を続けてきた筑波大学の教授、高谷氏と、大手化学メーカーやバイオスタートアップにて実績を持つCEO貫井氏によって2023年に設立されました。彼らの豊富な経験をもとに、今後は大企業との協業を通じて、実証実験を推進し、経営人材の確保を図っていきます。
採用活動の強化と事業拡大
現在、BioPhenolicsではバイオや脱炭素に関心を持つビジネス人材の採用を進めており、特に事業開発の領域で活動できるプロフェッショナルを募集しています。近い将来には、タイやベトナムなどの東南アジアを中心とした生産拠点の拡大も視野に入れています。この計画により、グローバルな市場での展開が期待されています。
投資家からの視点
ANRIのGeneral Partnerである鮫島氏は、バイオ化学製品の開発への関心が高まっている現状を指摘し、BioPhenolicsの成功を確信して投資したことを明言しています。同社が日本発のユニコーン企業へと成長することが期待されています。
CEO貫井氏は、今回の資金調達について感謝の意を表し、研究と技術開発に全力を注ぐことを誓っています。彼らの目標は、2030年までに石油化学品の実質的な代替物として、安価で大量のバイオ化学品を市場に供給することです。
会社概要
- - 設立: 2023年2月1日
- - 所在地: 茨城県つくば市天王台1丁目1-1
- - 代表者: 貫井憲之氏
- - 公式ウェブサイト: BioPhenolics
このリリースに関するお問合せは、
[email protected]までお願いいたします。