はじめに
今回は、東京都中野区に住む重度障がい児を育てる母、中村美和さんの挑戦についてご紹介します。彼女は、「18歳の壁」と呼ばれる、重度障がい児が高校を卒業した後に直面する様々な課題を解決するため、2025年にデンマークでの視察を計画しています。この視察を通じて学んだことを、日本の社会にどのように活かしていくのか、その思いを掘り下げていきましょう。
“18歳の壁”の現実
日本では、重度障がい児が教育制度の最終段階である高校を卒業すると、日中過ごす場所が急激に減少します。この現象は、特に現場で実際にその状況を経験しているご家族にとって、非常に深刻な問題です。中村さん自身も、特別支援学校に通う息子を持つ母親として、この課題に直面しています。彼女はこう語ります。「親が元気なうちは何とかなる。しかしその先をどうするのか」。この言葉は、親としての不安とともに、未来に対する希望の象徴でもあります。
クラウドファンディングの実施
中村さんは、デンマークのインクルーシブ教育や生活支援モデルを学ぶため、クラウドファンディングを通じて支援を募ることにしました。このプロジェクトは、2025年の夏から実施され、わずか6日間で目標金額を達成しました。これは、多くの人々の共感と期待の証でもあるのです。目標達成後もネクストゴールを掲げ、さらなる支援を募集中です。具体的なURLは
こちら。支援のリターンには、お礼のメッセージやオンラインシェア会への招待など、さまざまな特典があります。
デンマーク教育システムの先進性
デンマークでは、障がいの有無にかかわらず、共に学ぶことができるシステムが整っています。特に「エグモント・ホイスコーレン」や「ボステッド」の事例は、地域での共同生活や教育の先進的なモデルとして知られています。中村さんは、この視察を通じて、それらの成功事例を日本に持ち帰り、実際に役立てたいと考えています。具体的には、中野区で「卒後も安心して通える居場所づくり」を進めていくことを目指しています。
未来に向けて
中村さんの挑戦は、ただ一人の母のものではなく、日本全体に向けた提案です。彼女の活動が、障がい児を育てる家庭にとってより明るい未来を切り拓くことに繋がることを期待しています。デンマーク視察の成果を活かして、今後どのような居場所が具体化されていくのか、注目が集まります。クラウドファンディングを通じてのサポートが、今後の日本の障がい児支援に対する意識を変えるきっかけになるかもしれません。ぜひ、多くの方々にこの活動を知ってもらいたいと思います。