JFEエンジニアリングが新たな蓄電池事業を展開
2023年、JFEエンジニアリング株式会社は、東京センチュリー株式会社と連携し、北海道芽室町での系統用蓄電池事業の実施を発表しました。この事業は、同社にとって初めてとなる特別高圧案件であり、20MWの定格出力と79MWhの蓄電池容量を持つものです。事業開始の予定は2027年度下期とされています。
本事業の背景
今回の蓄電池事業は、令和6年度の再生可能エネルギー導入拡大のための補助金を受けて実施されます。特に北海道は、2030年代以降に太陽光発電だけでなく多数の洋上風力発電が稼働する計画があり、電力供給の安定性を確保するための対応が求められています。再生可能エネルギーの出力変動に対応することで、地域の電力系統の負荷軽減や出力変動の調整が必要です。
事業の具体的な内容
この事業は、北海道電力ネットワーク株式会社が行う土地貸付の入札において、東京センチュリー株式会社が落札した北芽室変電所の近隣地で行われます。JFEエンジニアリングは、出資を行うだけでなく、蓄電池選定や工事計画の検証を通じてオーナーズエンジニアリング業務も手掛けます。
さらに、同社の100%子会社であるアーバンエナジー株式会社が電力供給を行い、特に自身開発のJFEマルチユースEMSを用いて充放電の計画や市場取引の最適化を進めます。このシステムは気象予測や市場の動向を使い、業務の効率を最大限に高めるためのものです。
地域新電力事業への取り組み
JFEエンジニアリンググループは、再生可能エネルギーに関する様々な技術とノウハウを活かし、太陽光、風力、バイオマス、小水力といった多様なエネルギー資源の開発に注力しています。また、地域新電力事業を通じたエネルギーの地産地消を推進し、カーボンニュートラルの実現へ向けて貢献していく方針です。
まとめ
北海道芽室町における系統用蓄電池事業は、地域の再生可能エネルギーの活用と電力の安定供給に向けた重要なステップです。この取り組みが地域経済の活性化や持続可能な社会の実現へと繋がることが期待されています。JFEエンジニアリングは、今後もエネルギーの効率的な利用と再生可能エネルギー導入の促進を進めていく所存です。