ウィーメックスが推進するAIの活用
ウィーメックス株式会社は、医療業界における新たなサービスを発表しました。その名も「生成AIによる服薬指導提案機能」です。本機能は、クラウド型薬歴共有サービス「Pharnes-LinkⅡ」と連携し、薬剤師が服薬指導を効率的かつ正確に行うためのサポートを提供します。
この新機能は、今秋より一部の提携薬局向けにモニター提供を開始する予定です。具体的には、2025年10月に京都で開催される「第58回日本薬剤師会学術大会」にも出展される予定で、そこでより多くの薬剤師や医療関係者にそのメリットを紹介することとなります。
開発の背景
薬剤師が取り扱う薬剤の多様性から、特に新卒や若手薬剤師にとっては、服薬指導のスキルを身につけるのが難しいことがあります。また、ルーチンとなる処方内容により、指導がマンネリ化するケースも見受けられます。
こうした実情を受け、ウィーメックスではAIを活用した業務支援システムを開発する運びとなりました。このシステムは、MicrosoftのAzure OpenAI Serviceを基にしており、ChatGPTの技術を応用しています。
この「生成AIによる服薬指導提案機能」では、患者の個別の状況に応じて服薬指導の内容や注意点を自動で提案するため、薬剤師はより迅速かつ効果的に支援を行うことが可能となります。
特筆すべき特長
1.
患者ごとのサジェスト内容: 患者の属性や過去の薬歴、現病歴、合併症、アレルギー情報に基づき、自動で効果的な指導内容が提案されます。
2.
選択肢の提供: 提案された内容から薬剤師が必要な情報を選択し、薬歴に記録することが可能です。特に重要な指導内容については「今回のポイント」として強調されます。
このような先進的な機能は、薬剤師の業務を軽減するとともに、患者へのサービス向上にも寄与することが期待されています。
医療AIの普及に向けて
最近では、医療分野における生成AIの適切な活用が求められており、厚生労働省が手掛ける「医療AIプラットフォーム技術研究組合(HAIP)」によって、医療・ヘルスケア分野における利用ガイドラインが策定されています。これにより業界全体がAIの利活用を進めていく中、ウィーメックスの新機能もその流れに乗った形になっています。
ウィーメックスの今後の展望
ウィーメックスは、PHCホールディングスの傘下としてヘルスケア分野のイノベーションに取り組み続けています。薬局経営のサポートや特定保健指導の支援、遠隔医療システムなど、さまざまなサービスを展開しており、医療DXを推し進める重要な存在として今後も目が離せません。
新機能の正式な全国展開に向けた検証結果が待たれる中、今秋からのモニター提供が注目の的となっています。ウィーメックスの進化を見守りましょう。