秋の札幌、冷たい風が吹く中、我々は最新テクノロジーを駆使した「パパチャリ」ことアサヒサイクルの高機動型ドローンドック搭載自転車を持ち込むことに成功しました。この自転車の独自の形状は、それ自体が注目の的となり、同時に災害時における救助の可能性也秘めています。
2024年1月、石川県能登地方を襲った大地震の後、同様の災害が台湾でも発生しました。報道では、山間部の集落で発生した困難な状況を背景に、オフロードバイクが初動対応に相応しいとの声が多く聞かれました。この声を受け、デジタルカレッジKAGAが立ち上がり、ドローンとオフロードバイクを組み合わせた新たな救助システムの構想を進め始めました。
KAGAは、国内のドローンエンジニアが集まる場として、毎年夏にドローンエンジニア会議を開催しており、今回はオフロードバイクに高機動型ドローンを搭載し、道のないエリアでも状況を把握できるシステムを開発。これによって、災害地域の奥地まで迅速にアプローチが可能になることを目指しました。
そして、6月末に基本設計が無事に完成。自衛隊や警視庁といった公的機関においても活用が期待され、その活躍に多くの人が期待を寄せています。これを実現するために、実際のモックアップも製作され、展示会への出展を計画しました。
しかし、展示会へ向けて準備を進める中で、大きな試練が訪れます。会場の規則により、ガソリンやオイルを抜かなければならず、消火器の準備を求められました。我々はバイクメーカーではないため、負担の重さがのしかかりました。その時、札幌に残る唯一の「パパサイクル」が登場し、状況を一変させました。この自転車は大きな荷台を装備し、非常に頑丈で魅力的なデザインを持ち、奇跡的に必要な条件を満たしていました。
急遽この自転車を使い、展示ブースへの運搬を行うことになりました。担当者は自転車にドローンドックを載せ、札幌の店舗から会場までの20kmを走破。秋の夜風を感じながら、最先端テクノロジーがエンジニアの汗と努力によって生まれる瞬間を実際に体験しました。
会場には多くの人が訪れ、ドローンドック搭載の自転車は見事に注目を浴びました。さらに、参加者の皆様にはこちらの三次元点群データを提供し、独自の体験をお楽しみ頂きました。
デジタルカレッジKAGAは、今後も災害救助に向けた新たなプロジェクトに取り組み、最先端のテクノロジーで人命救助を目指していきます。今回の展示の模様は、10月26日に開催される「世界で進むモビリティ大革新最先端事例紹介」で報告予定ですので、ぜひお楽しみに。また、札幌周辺でこの自転車が欲しい方がいれば、是非ご連絡ください。