熊本で実現するオリーブの新たな挑戦
2024年5月に熊本県人吉市で、オリーブを用いた国内初のソーラーシェアリングシステムが設置されることとなりました。このプロジェクトは、合同会社オリビアスの代表である山本哲史氏が率いるもので、太陽光発電の可能性と農業の両立を目的としています。
ソーラーシェアリングとは?
オリーブのソーラーシェアリングシステムは、太陽光発電パネルを農作物の栽培と共存させる新たな試みです。発電と営農の最適なバランスを図るために、パネルの配置や遮光率、栽培技法をに特に注目しています。これにより、オリーブの生育環境を維持しつつ発電も行うことが可能です。
プロジェクトの背景
熊本県では最近、半導体関連の企業が進出し、新しい産業の発展が期待されています。一方で、過去の自然災害による過疎化や耕作放棄地の問題が深刻化しており、これを解決するためには、新たな農業モデルの創出が急務です。このような課題を解決する手段として、オリーブのソーラーシェアリングが選ばれたのです。
矮化栽培技法「Oliveious Method」
従来の考えでは、オリーブは大木に成長するため、ソーラーシェアリングに適していないとされていました。しかし、合同会社オリビアスは、矮化栽培技法である「Oliveious Method」を開発し、これを用いてオリーブの栽培に挑むことを決定。遮光率と環境要因を精密に分析し、高い生産性と発電効率の両立を目指しています。
土地の特性を生かす
プロジェクトでは、地域特性に適した栽培管理が行われ、環境に優しい持続可能な農業を実現します。具体的には、太陽光パネルの下での矮化栽培によって、高い農業収入を得ることができるでしょう。また、発電した電力の売却収入も重要な収入源として位置付けています。
地元との連携
営農は合同会社ESR球磨ファームが担当し、地域住民との信頼関係も大切にしています。過疎地での新たな取り組みには、住民の理解と協力が欠かせません。そのため、地元の方々とのコミュニケーションを重視しながらプロジェクトを進めています。
確立されたモデルの全国展開
このモデル圃場での成果を基に、将来的にはヘクタール単位での拡大が見込まれています。また、特許出願中のオリーブソーラーシェアリングシステムは、全国に展開される予定です。これにより、各地で新たなオリーブ産業が誕生することでしょう。
取材および見学の案内
このプロジェクトに興味のある方は、合同会社ESR球磨ファームまでお問い合わせください。定期的に見学会も開催予定ですので、ぜひ足を運んでみてください。
まとめ
国内最大級のオリーブのソーラーシェアリングシステムは、農業と持続可能なエネルギーの新しい形を示すものとなるでしょう。企業間の連携と地域住民との協力によって、先進的なビジネスモデルが確立されることが期待されています。これからの成果に、ぜひ注目していきたいところです。