酒造りの伝統と環境保護が融合!剣菱酒造の藁縄復活プロジェクト
剣菱酒造株式会社は、酒造りの伝統を守り続けると同時に、環境保護にも取り組む新たなプロジェクトを発表しました。その名も「藁縄復活事業」です。この取り組みは、古来より酒樽を縛るために使われていた藁縄を再び導入するもので、酒造りの文化を継承しながらプラスチックごみの削減を目指しています。
酒造りと藁縄の歴史
日本では、米の豊作を祈るために作られた酒が神社に奉納される際に、使用される藁縄。これには、恵みの大地への感謝が込められています。剣菱酒造でも、創業当初から藁縄を使用し続けてきました。しかし、2016年に製造機械の故障により藁縄の製造が途絶え、仕方なくビニール製の縄に切り替えることとなりました。これは、酒造りの伝統を失う大きな痛手と感じた剣菱酒造の代表・白樫政孝氏は、藁縄の復活に向けて動き出しました。
藁縄製造機械の復旧
剣菱酒造は、2017年に壊れた藁縄の製造機械を入手し、2年間の修復作業を経てその復旧に成功しました。このプロジェクトには、多くの技術者や協力会社の支援があり、最終的には現役当時の姿で復活させることができました。これにより、再び藁縄を使用することができるようになり、試行錯誤を経て商品化も果たしました。
プラスチックごみの大幅削減
藁縄の復活には、環境への配慮も大きな目的があります。藁縄に戻すことで、ビニール製の縄と比べてプラスチックごみを99%も削減。剣菱酒造は、この取り組みを通じてSDGs(持続可能な開発目標)の実現にも寄与したいと考えています。
未来に向けた展望
現在、藁縄は自社製品に限定して使用されていますが、将来的には他社向けにも商業販売を予定しているとのことです。これにより、より多くの人々に藁縄の重要性を知ってもらい、伝統文化の価値を広められることを目指しています。
剣菱酒造について
剣菱酒造は兵庫県神戸市に本社を構え、創業は1505年にまでさかのぼります。日本酒『剣菱』の製造・販売を行い、伝統を守りつつも新たな挑戦を続けています。現在、酒造りの精神を継承し、環境に配慮した取り組みを進めることで、多くの人々に愛される酒造を目指します。
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