ハイブリッド木質耐火部材『COOL WOOD-ST』がもたらす新たな可能性
建築業界において、持続可能性がますます重要視される中、株式会社シェルターと戸田建設株式会社は共同で革新的な耐火部材『COOL WOOD-ST』を開発しました。この部材は、60分および90分の耐火性能を有し、国土交通大臣から認定を受けています。この技術は、木材の利用を促進し、さらなる省炭素化を実現するための一歩です。
1. COOL WOOD-STの特長
『COOL WOOD-ST』は、強化せっこうボードと木材を組み合わせて設計されており、従来の木質耐火部材と比較して、より薄肉化がされています。これにより、鋼管柱に取り付ける際の施工がシンプルになり、施工時間の短縮にも寄与しています。特に、強化せっこうボードの横目地部には目地補強材が施されており、構造の強度が向上しています。
グッドな点は、樹種選択が自由であるため、地域の木材を活用した場合でも、意匠性を損なうことなく、さまざまなデザインに対応できます。このことは、地域住民にとっても、地元の林業を支える新たな機会となります。
2. 木材利用への関心高まる
近年、SDGsやESGに対する関心が高まり、木材を利用することで得られる自然なデザインや快適性に対する需要が増しています。『COOL WOOD-ST』は、そのようなニーズに応え、中層建築物における木材の利用を促進します。2023年の耐火基準の改正により、新たに90分、150分という基準が設けられ、これに適合することで木造建築の可能性が大きく広がるでしょう。
3. 省炭素化へ向けた一歩
木材の利用が進むことは、単にデザイン性や快適性が向上するだけでなく、建物の資産価値の向上にもつながります。また、国土交通省が進める「脱炭素社会の実現に資するための木材利用促進法」にも貢献する形となります。新しい建材の導入により、2050年のカーボンニュートラルの達成に向けた努力が加速します。特に、中層建築物においては、9階建てまでの木材利用が期待されています。
4. 株式会社シェルターの取り組み
株式会社シェルターは、1974年に設立され、木質構造部材の研究・設計・製造・販売を行っています。特に、木造建築の設計や施工に強みを持ち、木造都市の実現に向けた取り組みをしています。持続可能な社会の実現を目指す中で、『COOL WOOD-ST』はそのコアの部分となるでしょう。
5. 今後の展望
『COOL WOOD-ST』の登場により、耐火性能を満たしながらも、木材の魅力を最大限に活かした建物設計が可能になります。この新しい技術は、未来の建築に革新をもたらすだけでなく、地域経済の活性化にも寄与することが期待されています。これからの建材として、『COOL WOOD-ST』は広く採用されることでしょう。
このように、『COOL WOOD-ST』は新しい時代の建材として、持続可能な社会に向けた一歩を踏み出します。今後もこの技術の普及と利用促進に期待が寄せられています。