三井物産、ポーランドに電磁鋼板加工会社設立
三井物産株式会社(本社:東京都、社長:堀 健一)は、このたびポーランド南部のスカルビミエシュに新たな電磁鋼板加工会社Polska-Mit Steel sp. z o.o.(ポルスカミットスチール、以下「PMS社」)を設立することを発表しました。この新たな拠点は、グローバルに増加する電磁鋼板への需要に応える重要な役割を担うこととなります。
電磁鋼板の重要性とは
電磁鋼板は、ハイブリッド車やバッテリー式電気自動車のモーターコア、さらには発電所や変電所で用いられる変圧器コアに使われる重要な素材です。最近では、気候変動の影響が深刻化する中で再生可能エネルギーや電動車の需要が急増しており、それに伴う電磁鋼板の供給がますます重要となっています。これに対し、三井物産はサプライチェーンの拡充が急務であると認識しています。
資本的な戦略
三井物産は過去数十年にわたり、オランダや中国、チェコ、カナダなどにおいて加工会社を設立し、変圧器や電動車向けに豊富な在庫管理や加工サービスを提供してきました。特に昨年はオランダやカナダの加工会社への追加投資を行っており、市場ニーズに応じた加工能力の増強に力を入れています。特に言及すべき点は、ポーランドに新たに設立されるPMS社は、2026年4月からの稼働を予定し、欧州の電動車需要に対応する加工サービスを強化することです。
環境への配慮と将来展望
三井物産は、企業のマテリアリティとして「安定供給の基盤をつくる」、「豊かな暮らしをつくる」、「環境と調和する社会をつくる」を掲げています。この理念のもと、電動車や変圧器向けの電磁鋼板供給を通じて、脱炭素社会の実現に積極的に貢献していく方針です。ポーランドでの新たな加工拠点設立は、こうした取り組みの一環として、企業と環境の調和を図る重要なステップになるでしょう。
PMS社の基本情報
- - 正式名称: Polska-Mit Steel sp. z o.o.(ポルスカミットスチール)
- - 所在地: ポーランド共和国オポーレ県ブジェク郡スカルビミエシュ
- - 設立年: 2024年8月(予定)
- - 従業員数: 約50名(予定)
- - 資本金・資本準備金: 約34億円(当社100%出資)
- - 事業概要: 電磁鋼板のスリット加工・販売(年産約34,000トン)
ポーランドに設立されるPMS社は、今後の電磁鋼板市場での重要な役割を果たすことでしょう。これにより、三井物産のサプライチェーンの強化はもちろん、持続可能な未来を見据えた企業活動の進展が期待されます。