株式会社STANDAGE(以下、STANDAGE)と株式会社DCP(以下、DCP)は、商工組合中央金庫(商工中金)と共に、決済一体型の貿易プラットフォームの共同検討を開始しました。このプラットフォームは、電子船荷証券(eB/L)の商法改正が10月に閣議決定され、2027年度に施行される予定で、その普及を見据えたものです。2028年度の商用化を目指して、eB/Lと商工中金が発行するトークン化預金(DCJPY)を連携させ、同時決済の検証を行います。この取り組みは「商流の電子化と金流との同期」に焦点を当てています。
背景と社会的課題
従来の紙の船荷証券を用いる貿易実務は、代金決済における未回収リスクや書類の郵送に伴うタイムロスが中小企業の資金繰りに大きな影響を与える原因となっています。また、貨物が船荷証券よりも前に到着することで発生する滞船料の問題も深刻です。これに対処するため、デジタル化による効率化が求められています。国内外で貿易や金融のデジタル化が急速に進む現在、国連によるモデル法(MLETR)や銀行業界のコンプライアンス強化が進行中であり、ブロックチェーン技術を用いた決済インフラへの移行が不可避な状況です。商流、物流、金流の分断を解消するための取り組みが開始されます。
目的
今回の共同検討の第一の目的は、eB/Lなどの貿易書類とトークン化預金の連携により、商流の電子化と金流の同期を実現し、2028年度の商用化に向けた具体的な運用モデルを確立することです。これにより、中小企業の貿易業務におけるタイムラグが解消され、業務効率化が図られます。将来的には、クロスボーダー決済網との接続に向けて「金流の透明化と高速化」も追求されます。これによって、日本の貿易手続き全体のコスト削減やサプライチェーンの透明性向上に寄与し、持続可能な社会の構築にも貢献することが期待されています。
具体的な取り組みと影響
この共同検討において、eB/Lとトークン化預金「DCJPY」を用いたDvP決済スキームの構築を目指します。これにより、以下のようなメリットが期待されます。
1.
輸出企業の代金未回収リスク低減
STANDAGEのCargoX社のeB/LプラットフォームとDCPのトークン化預金が連動し、スマートコントラクトを通じた自動処理により、代金未回収リスクが大幅に改善されます。また、ペーパーレス化により、書類のやり取りにかかるコストが削減され、資金回収までのリードタイムも短縮されます。
2.
輸入企業のデマレージ回避
スマートコントラクトが24時間稼働し、オンラインで手続きが可能になります。これにより、書類の郵送での遅延を受けず、貨物引き取りの停滞を防ぎ、滞船料の発生を抑えることができます。
3.
スムーズなデジタル貿易決済の実現
DCPのプラットフォーム上で、トークン化預金「DCJPY」を安全に利用でき、大規模なシステムを構築することなく、スムーズに利用できる環境が提供されます。
4.
ペーパーレス化による業務の効率化
デジタル完結型の貿易手続きにより、郵送費や作業時間が大幅に削減され、次世代の貿易インフラが構築され、環境負荷も軽減されることに寄与します。
近未来の展望
STANDAGEは、商業サービスを「デジトラッドペイメント」に迅速に組み込むことで、中小企業が新たな貿易取引に挑戦できる環境を提供し成長を支援します。一方、DCPは次世代の経済エコシステムを構築することを目指し、高度なデジタル決済インフラを全国の金融機関と共に提供していく計画です。両社の共同検討は、貿易DXを加速し、透明性と効率性を兼ね備えた貿易決済を実現する道しるべとなるでしょう。