伝統工芸と新素材が交差する「アップサイクル水引」ワークショップ
2025年10月20日、愛媛県松山市にて特定非営利活動法人インクルーシヴ・ジャパンが主催する、「アップサイクル水引」ワークショップが開催されます。このイベントは、日本の伝統的な水引に現代のクリエイティブなアプローチを加えることを目的としています。
アップサイクル水引とその意義
今回のワークショップで使用される「アップサイクル水引」は、一般社団法人アップサイクルが推進するプロジェクトから生まれた素材です。使用済みの紙資源や未利用の木材が新たな紙糸に生まれ変わる過程を通し、環境に配慮した資源の有効活用を推進しています。この紙糸は従来の水引とは異なり、軽さや独特の質感が特長です。参加者は、この新しい素材を用いて水引の魅力を体験することができます。
水引の背景と伝統文化
水引の起源は古代にさかのぼります。特に飛鳥時代に、小野妹子が持ち帰った返礼品を結ぶための紐が水引の始まりだと言われています。その後、水引は贈答品や祝い事、神事などに広く用いられるようになり、色々な形や色で様々な想いを伝える役割を果たしています。しかし、近年はその需要が減少し、職人の数も減ってきている現状があります。これに対し、ワークショップでは、伝統的な結びの技術を現代の視点で再解釈し、未来へ繋げる取り組みが期待されています。
東京水引とのコラボレーション
技術指導は東京を拠点に活動する水引ブランド「東京水引」の代表、中村江美さんが担当します。東京水引は、水引を基盤にした創作活動を展開しており、独自の遊び心あふれるデザインで新しい表現を模索しています。中村さんは、都市文化の中で水引の新たな使い方を提案しながら、地方との連携も重視しています。今回のワークショップは、東京水引が「伝統の根」に学び、「未来の枝」を伸ばす実験でもあります。
ワークショップの詳細
ワークショップのプログラムには、オープニングセッションを皮切りに、素材体験セッション、アイデア展開セッション、プロトタイプ制作などが含まれます。各参加者が「曲げる」「結ぶ」「編む」という動作を自由に試み、アートや工芸から新たな水引表現を生み出すことを目指します。こうした体験を通じて、参加者は水引文化の新しい可能性を感じることができるでしょう。
インクルーシヴ・ジャパンの取り組み
さらに、インクルーシヴ・ジャパンは社会包摂と地域文化の活性化を目指して、障がいのある方々が社会参加できる場を提供してきました。アートを介したこの活動は、地域の文化資産を再評価し、より豊かな地域社会を創造するための重要なステップです。ワークショップを通じて、障がいのある方々が持つアート的才能や個性を社会と繋げ、皆が共に輝く世界を実現することを目指しています。
最後に
このワークショップを通じて、参加者はアップサイクル水引の魅力や水引の伝統技術を学びつつ、地域文化と環境、福祉と創造を結ぶ新しい息吹を体験することができます。貴重なこの機会に、ぜひご参加ください。
開催概要
- - 名称: アップサイクル水引ワークショップ
- - 主催: 特定非営利活動法人 インクルーシヴ・ジャパン
- - 技術指導: 東京水引
- - 日時: 2025年10月20日 11:00 - 14:00
- - 会場: ART CAFÉ Inclusive supported by NESCAFÉ
- - 住所: 愛媛県松山市朝生田町6丁目2番50号 ル・スクエアビル1F
参考リンク