景気動向調査:中東危機が影響を及ぼす日本経済の現状
2026年の第1四半期に行われた景気動向調査が発表され、なかなか好転しない経済状況が浮き彫りになっています。調査によれば、売上DI(発注企業数から出た収支の動向を示す指標)は-6.0で、前回比3.5ポイントの上昇を示しましたが、依然として厳しい状況です。特に中東情勢の緊迫化が経済に及ぼす影響が懸念されています。
売上DIの明暗
売上DIが上昇した背後には、小売業や飲食業、サービス業での改善が見て取れます。具体的には、小売業が前回比で13.4ポイント、飲食業が3.1ポイント、サービス業が6.3ポイント増加しました。しかし、製造業は9.1ポイント、卸売業は0.5ポイント、運輸業は25.7ポイント、不動産業が13.7ポイントそれぞれ下落するなど、業種間で明暗が分かれています。
物価上昇が続く中での企業の苦境
物価高が続く中、企業は仕入れコストの高騰に直面しています。特に中小企業は、価格転嫁が難しく、収益性の悪化に悩んでいます。賃上げへの対応も難航しており、企業活動にブレーキがかかっている状況です。さらに中東からの原油価格上昇が叫ばれ、これがエネルギー価格を押し上げ、物価全体に波及しています。
設備投資の意欲
設備投資に関しては、総合して「実施中」の企業が15.7%(前回比+0.9ポイント)である一方、「予定あり」と答えた企業は12.7%(前回比-0.8ポイント)とわずかながら減少しました。特に製造業と卸売業での「予定あり」の減少が顕著で、経済の不透明感が影響を与えていることが分かります。
経営上の課題
調査によると、企業が抱える経営上の問題として最も多かったのは「仕入単価上昇」で78.1%を占め、前回比8.9ポイント上昇しました。他にも「一般経費増大」が51.4%、売上の停滞が42.8%と続き、「人手不足」も38.4%と深刻な状況です。中東危機の影響が企業経営に強い影を落としていることが伺えます。
賃上げの動向
賃上げに関しても、調査結果は厳しいものでした。「実施予定」の企業割合は58.2%と、前年比で1.8ポイントの減少を示しました。特に飲食業と建設業を除くほとんどの業種で前年同期比での減少が確認されています。金額ベースでも、賃金の二極化が進んでいることが明らかになりました。
まとめ
景気動向調査を通して、日本経済の厳しい現実が浮き彫りになりました。中東リスクの高まりが経済活動に影響を及ぼし、企業は仕入れコスト上昇や賃上げへの取り組みに苦慮しています。このような不安定な状況において、企業がどのように対応していくのかが今後の大きな課題となるでしょう。
詳細な調査データについては、
こちらからご覧ください。
調査時点:2026年3月中旬~3月下旬
対象期間:2026年1~2月期(実績)・3月(予想値)・2026年4~6月期(見通し)
対象企業:当金庫お取引先1,435社(大阪府内、尼崎市)
回答企業数:576社(回答率40.1%)