石川県の震災学習プログラムモニターツアー
石川県では、災害に備えた震災学習プログラムの実施に向けて、特別なモニターツアーを開催します。この取り組みは、2024年度に予定される修学旅行の誘致を目的としており、県外からの生徒たちに被災地の教訓をしっかりと伝えることを目指しています。
モニターツアーは、8月19日から21日の間に行われ、首都圏と関西圏からの中学・高校の校長など、教育関係者6人が参加します。参加者は、能登地域の六つの市町(七尾市、輪島市、珠洲市、志賀町、穴水町、能登町)を巡り、実際に震災学習プログラムを体験し、その内容を評価します。
視察先では、多様な防災に関する取り組みを学ぶ機会を得られます。特に七尾市では、大きな被害を受けた和倉温泉街を訪れ、発災時にどのように宿泊者を安全に避難させたのかを詳しく聞くことができます。こうした具体的なエピソードを通じて、防災の重要性を知ることができるでしょう。
また、穴水町では、震災後にいち早く運行を再開し、能登地域の復興の象徴となった「のと鉄道」に乗る機会も提供されます。この列車には、「震災語り部観光列車」という特別なプログラムがあり、実際に震災を経験した被災社員が語り部となり、地震の影響について語ります。参加者は能登の美しい車窓を楽しみながら、震災の教訓や地域の人々の思いを深く学ぶことができます。
このプログラムに参加した教育関係者からの意見や助言を基に、震災学習プログラムを更に充実させていく予定です。そして、このプログラムを通じて、石川県への修学旅行の誘致にもつなげたいと考えています。災害の記憶を未来へと受け継いでいくために、このような取り組みが持つ意義は計り知れません。
今後、12月頃には旅行会社を対象とした別のモニターツアーも計画されているため、関心のある方はぜひ注目してみてください。従来の観光とは一味違う、学びのある旅行を通じて、訪れる人々が災害への備えを考えるきっかけとなることを期待しています。