朝霞市とすららネットが挑むAI教育の新しい形とは

朝霞市とすららネットによるAI教育の実験

埼玉県朝霞市と株式会社すららネットが手を組み、2025年度から新たな教育実証研究を開始することが発表されました。この取り組みでは、AIを活用した学習ツール「すららドリル」を使って、児童生徒が自分のつまずきを理解し、自信につなげる教育体系の確立を目指します。

実証研究の背景と目的

GIGAスクール構想の進展に伴い、全ての児童生徒に一台のタブレット端末が配布されるようになりましたが、未だ多くの教育現場では、個々のつまずきに対する理解や対応が求められています。そこで、すららネットが提供するAIドリルは、児童生徒の学習状況を可視化し、つまずきの原因を分析することで一人ひとりに最適化された復習課題を提供します。

今回の研究で狙うのは、小６の算数および中１の英語の授業です。特に、算数の問題を中学進学前に克服し、「自分はできる」という自己効力感を育てることがテーマです。また、中１の英語では、入学直後の学力の二極化を防ぐため、文法を重視した学習スタイルの整備が急務とされています。

具体的な施策と進行方法

本実証研究は2025年4月から2026年3月までの1年間にわたり行われます。使用される教材は「すららドリル」で、対象となるのは朝霞市立朝霞第三小学校の6年生約130名と、朝霞第四中学校の1年生約120名です。

教育現場での具体的な実施方法

- 授業内活動: 小テスト機能を使って理解度を確認し、その結果に基づいてAIが自動的に復習課題を配信。
- 家庭での学習支援: 小学生は復習課題に20〜30分取り組むことで学習習慣を形成。中学生は月に2時間程度、文法強化の自習を行う。
- 長期休暇中の総復習: 学力診断テストを実施し、再テストや復習ドリルで知識の定着を図ります。

教員へのサポート体制

また、教員に対しては独自の学習レポートが提供され、個別対応をスムーズに進められるよう支援が行われます。評価は定量的なテスト結果や学習時間に加え、自己効力感や学習意欲、メタ認知の変化を追跡するアンケートを通じて行われます。

すららドリルの特長と魅力

「すららドリル」は、児童生徒それぞれの理解度に応じて学習内容を調整できるアダプティブな教材です。AIによるつまずき診断や出題の難易度コントロールは、国語・算数・英語・理科・社会の5教科で適用され、年齢や学年を超えた適応学習が可能です。また、自動作問や採点、復習登録機能により、教員の負担軽減も図られています。