岐阜県飛騨市の冬を彩る伝統行事「三寺まいり」の魅力を探る

岐阜県飛騨市で開催される「三寺まいり」

岐阜県飛騨市古川で行われる「三寺まいり」は、200年以上の歴史を有する伝統行事です。毎年1月15日に開催され、冬の寒さの中に幻想的に浮かぶろうそくの光が、多くの人々を魅了しています。この行事は、浄土真宗の宗祖である親鸞聖人の御遺徳を偲び、町内にある円光寺、真宗寺、本光寺の3つの寺を巡拝する特別なもので、地域の歴史と文化を深く知る良い機会となっています。

三寺まいりの変遷と文化的意義

「三寺まいり」は、もともとは地元の女性たちが出稼ぎから帰省し、着飾ってこの行事に参加したことから始まりました。明治や大正の時代には、飛騨から信州の岡谷や諏訪へと糸引きの作業に出ていた女性たちが、この日を楽しみにしている姿が見られ、男女の出会いや縁結びの場としても定着しました。このように、「三寺まいり」は地域に根付いた結びつきを象徴する行事として、現在も多くの人々に受け継がれています。

今年の催しと見どころ

2024年1月15日（木曜日）には、正午から「まつり広場」で飛騨特産の食材を楽しむ「門前市」が開かれます。この市では、岩魚の塩焼きや五平餅など、地元の味覚が堪能できる食のブースが並び、訪れた人々を楽しませることでしょう。午後4時から点灯する「雪像ろうそく」は、2メートルの高さを誇り、たくさんのろうそくの光が市街地を美しく染め上げます。

また、瀬戸川沿いでは「千本ろうそく」や「祈願とうろう流し」が行われ、参加者は白と赤のろうそくに願いを込めて火を灯し、幻想的な光景を作り出します。このイベントは、単なるお祭りにとどまらず、地域の文化や人々の思いを感じることのできる貴重な時間です。