DAS SolarのCTO宋博士が語るTOPCon技術の未来と業界の展望
DAS SolarのCTOによるTOPCon技術の未来展望
太陽光発電の分野は、今後の主流技術に関して活発な議論が進んでいます。その中でも、特にDAS SolarのCTOである宋登元博士は、TOPCon技術の可能性について熱く語りました。現在、この技術は業界の中心的存在となるべく急速に成長しており、技術革新に期待が集まっています。
主流技術を左右する要因
宋博士は、太陽光発電技術の主流を決定づける要因について「LCOE(均等化発電コスト)」「セル効率」「産業エコシステム」の3つを挙げました。特に産業エコシステムについては、経済性が重要であると強調しています。セル効率が高くても、コストが伴わなければ実用化には至りません。特にガリウムアルセナイド(GaAs)セルは高効率を誇りますが、その高コストが普及の障害となっています。
このような背景から、再生可能エネルギーの導入を進める上で、低LCOEは不可欠です。化石燃料に代わるエネルギー源として、再生可能エネルギーの重要性が一層高まっているのです。
TOPCon技術の急成長と未来
宋博士によると、TOPCon技術は2023年には市場シェア23%を占める一方で、2024年には75%、2025年には80%を超えると予測されています。その理由として、TOPConのパッシベーション技術による構造的な優位性を挙げ、これが効率向上とコスト削減を促進していると説明しました。
「TOPConは、PERCセルに見られる限界を克服できる技術です」と宋博士は自信をもって話します。BC技術は電極構成に重点を置いているため、その性能はTOPConやHJTのような基盤技術に依存しています。
効率向上に向けた成果と挑戦
現時点で、TOPCon技術は実験室で27.3%の効率を記録しており、理論上の限界は29.4%です。この効率向上のために、宋博士は技術的な進歩に取り組んでいます。特に、表面再結合を最小限に抑え、キャリア寿命を延ばすことが必要です。
マーティン・グリーン教授によるシミュレーションに基づき、キャリア寿命は4.5ms以上で、再結合電流は5.6fA/cm²以下に抑える必要があります。現在、シリコン材料はその基準を満たすポテンシャルを持っている一方、再結合電流を実現することには大きなチャレンジが伴います。
DAS Solarの戦略と未来のビジョン
DAS Solarは、「一つの主軸を軸に、三つの翼で推進し、全方位で発展」という具体的な戦略を採用しています。TOPConを基盤にしつつ、DBC、TSiP、SFOSといった他の先進技術への取り組みを進めています。
同社のTOPCon技術は、現在すでに4.5世代に達しており、開放電圧が745mV、量産効率は26.7%に達しています。また、第一世代のDBC製品も効率26.5%を実現し、ペロブスカイトタンデムセルでは実験室で33.2%の効率を叩き出しました。
今後の目標としては、セル効率40%以上を目指しつつ、TOPCon技術を中心に多様な技術革新を推進することです。宋博士は、「新たな効率のレベルを達成し、グローバルなエネルギー転換を推進する」と力強く訴えました。
このように、DAS Solarは未来の太陽光発電業界をリードし続けるべく、挑戦を続けています。
会社情報
- 会社名
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Das Solar Japan株式会社
- 住所
- 東京都中央区日本橋久松町FRAME日本橋8階B室
- 電話番号
-
03-5614-0692