感染症診断をもっと簡単に:TBAが開発した画期的な遺伝子検査ツール「STH-PAS」
株式会社TBAは、東北大学発ベンチャー企業として2013年7月に設立されました。同社は、誰でも簡単に実施できる遺伝子検査紙「STH-PAS」を開発し、医療現場や研究機関から注目を集めています。
「STH-PAS」は、感染症診断、食品検査、品種識別など、様々な分野に応用できる新たな遺伝子検査ツールです。従来の遺伝子検査と比べて、高度な技術や訓練を必要とせず、誰でも簡単に操作できるのが特徴です。
「STH-PAS」の技術と特徴
「STH-PAS」は、以下の特徴を持つことで、従来の遺伝子検査の課題を克服しました。
1.
簡便な操作性: 高度な技術や訓練は不要で、誰でも簡単に検査を実施できます。
2.
多項目同時判定: 最大12項目の遺伝子を同時に判定可能です。
3.
低価格な検査: 従来の遺伝子検査よりも安価な機器で検査できます。
「STH-PAS」を使った感染症の遺伝子検査方法
「STH-PAS」を使った感染症の遺伝子検査は、以下の手順で行います。
1.
目的遺伝子の増幅: 標的用タグ付きプライマーを用いて、目的遺伝子をPCR反応で増幅させます。
2.
PASシーリングカセットへの挿入: PCR産物が入ったマイクロチューブをそのまま、PASシーリングカセットに挿し込みます。
3.
STH-PASへの浸透: PCR産物がPASシーリングカセットに組み込まれたSTH-PASに浸み込みます(10~15分程度)。
4.
ハイブリダイゼーション反応: 増幅した目的遺伝子がSTH-PASにトラップされ、青く呈色します。
5.
目視判定: 感染症の診断が目視で判別可能です。
PCR後のマイクロチューブの蓋を開けずにそのままPASシーリングカセットに挿し込めるので、操作が簡単であり、サンプルの汚染の心配もありません。
TBAの今後の展開
TBAは、「STH-PAS」の開発を通じて、医療インフラが整っていない発展途上国の地域の医療サービス向上に貢献したいと考えています。
「STH-PAS」は、高価な検査機器を必要とせず、医療現場で即時判別可能で、特殊な技術や訓練も不要という特徴から、発展途上国においても有効なツールとなります。
TBAは、今後も「STH-PAS」の開発・販売を通じて、世界中の人の健康に貢献していくことを目指しています。
製品情報
PASシーリングカセットの製品情報: Biotronwebサイト
株式会社TBAWebサイト:
https://www.t-bioarray.com
* STH-PASの紹介動画:
動画サイトへのリンク