恵寿総合病院がAIパートナー「ユビー」の実証実験を実施
社会医療法人財団董仙会 恵寿総合病院(石川県七尾市)が、Ubie株式会社と連携し、AIパートナー「ユビー」を利用した入院患者向けの実証実験を開始しました。これは外来患者向けに行った先行検証で高評価を得たことを受けたもので、医療現場における患者の疑問解消と医療従事者の業務効率化を両立させることを目指しています。
実証実験の背景
恵寿総合病院は、能登地域において唯一の地域医療支援病院として、医療デジタルトランスフォーメーション(DX)を積極的に推進しています。これまでの取り組みでは、Ubieの生成AIを使い、医療文書の作成業務や看護業務の負担軽減を実現してきました。実際の医療現場では、患者さんが「職員に聞くほどではない疑問」を抱えているケースが多く、そのために医療従事者への遠慮や情報へのアクセスの難しさから、疑問や不安が残ることが多々あります。
先行検証の成果
実際に行った外来患者20名を対象にした先行検証では、以下のような高評価を得ました:
- - 質問解消度:平均4.5(5段階評価)
- - 寄り添い度:平均4.4(5段階評価)
- - 友人への推奨度:平均4.5(5段階評価)
- - 小さい疑問をどこかに聞きたいと思った経験:平均4.1(5段階評価)
この結果は、AIパートナー「ユビー」が患者の疑問解消に大いに役立つことを示しており、医療従事者の負担を軽減する期待も高まります。
本格実証実験の概要
実証実験は2025年の約1ヶ月間を予定し、対象は産科外来や入院患者を含みます。検証項目には、病院運営への負荷、患者満足度、医療従事者の業務効率化を含む予定です。ユビーは、病院関連の疑問に対しては病院提供の説明資料に基づき回答し、その他の質問にはUbieの医師チームが選定した信頼できるコンテンツを元に対応します。
未来への展望
今後、恵寿総合病院はこの実証実験を通じて、生成AIを活用した新たな患者寄り添いサービスを提供したい考えです。これにより、患者は必要な医療情報にアクセスしやすく、医療従事者はより専門的なケアに集中できるようになります。
理事長補佐の神野氏は、患者が安心して療養できる環境づくりを最優先に考え、医療体験を向上させる環境を整える重要性を強調しています。
AIによる支援が医療体験を一新し、医療の質向上に寄与することが期待されています。これからの医療は、テクノロジーと人の温かさが共存するモデルが求められる時代に突入しています。