「竹の、箸だけ。」で世界へ。ヤマチクが新たな章へ。代表交代&MVV策定で伝統を守り革新
熊本県南関町に拠点を置く竹箸メーカー、株式会社ヤマチクは、2024年6月28日付で代表取締役を山崎清登氏から息子の山崎彰悟氏へと交代した。同時に、新たなミッション・ビジョン・バリュー(MVV)を策定し、創業から61年目を迎える同社は、新たな章へと進んでいる。
「すべての「あたりまえ」を、「ありがとう」に。」
ヤマチクは、1963年の創業以来、半世紀以上にわたり竹箸の製造に特化してきた。先代の意志を受け継ぎ、新体制となった同社は、これまで以上に「お箸」を通して日本の食文化を世界に発信していくという強い決意を表明している。
今回の代表交代に伴い、新たに策定されたMVVは、同社の目指す未来像を明確に示している。
▽ミッション
「お箸をまもる、心をつなぐ。」
ヤマチクは、お箸を単なる食事の道具としてではなく、日本の文化、そして人々の心を繋ぐ大切なツールとして捉えている。同社は、世界で「chopsticks」ではなく「YAMACHIKU」と呼ばれる「あたりまえ」を創造し、お箸を通して日本文化を世界に発信していくことを目指している。
▽ビジョン
「すべての「あたりまえ」を、「ありがとう」に。」
ヤマチクは、食卓における「いただきます」や「ごちそうさま」という言葉が、食材、生産者、調理者、そして道具を作った人々への感謝の気持ちを表すものだと考えている。同社は、「YAMACHIKU」を通じて、食卓に「ありがとう」の循環を生み出し、やさしい日常を創造していきたいと考えている。
▽バリュー
「世界からいただく“ありがとう”のために」
1. 私たちは、自信を持って愛されるお客様に愛される製品をつくる私たちは、つくり手としての責任を常に自らに問う。
2. 私たちは、お互いさまでつくるものづくりは一人で完結しない。お客様のために、仲間をつくり仲間とつくる。
3. 私たちは、モノで語る私たちの歩みがお客様や社会にとって正しいかどうか。すべては製品で評価される。
「竹の、箸だけ。」に込めた想い
新代表の山崎彰悟氏は、2013年に家業であるヤマチクに入社。当初はOEM生産が中心だったが、2019年に自社ブランド「okaeri」を発表し、NY ADC賞やPentawards、TOP AWARDS ASIAなど数々の世界的デザイン賞を受賞した。現在では、自社ブランドの売上は全体の60%以上を占め、HONDAやヴィヴィアン・ウエストウッドなどのノベルティ製作も手がけるなど、その活動は多岐にわたっている。
山崎彰悟氏は、日本の伝統的な文化である「お箸」を、世界に発信していくという強い意志を持っている。「竹の、箸だけ。」を作り続ける唯一の箸メーカーとして、お箸文化を未来へと繋いでいくという熱い想いを胸に、新たな挑戦を続けていく。
未来へ繋ぐ、伝統と革新
ヤマチクは、創業から61年、伝統を守りながら常に革新を続けてきた。3000年以上続くお箸文化を1000年後も未来へ繋ぐため、同社は今後も「竹のお箸」という選択肢を世界に提供し続ける。
伝統と革新を融合させ、未来へ向かうヤマチクの挑戦は、これからますます注目されるだろう。