ロレアルとユネスコの20周年記念授賞式
2023年10月2日、世界最大の化粧品企業ロレアルの日本法人である日本ロレアル株式会社は、大阪で開催された関西万博内にて『ロレアル-ユネスコ女性科学者 日本奨励賞』の20周年を祝う授賞式を開催しました。この受賞制度は、若手女性科学者の育成を目的としており、2005年の設立以来、毎年多くの優れた研究者たちが表彰されてきました。
今年度の受賞者
今回、受賞を果たしたのは物質科学および生命科学の各分野で活躍する6名の若手科学者たちです。彼女たちの研究はそれぞれ異なりますが、共通して科学分野に新しい風を吹き込んでいます。
物質科学部門
- 所属: 東北大学大学院理学研究科
- 研究内容: ハイパートライトンの束縛エネルギーと寿命の測定。彼女は国際チームを率い、原子核の寿命を決定する装置を開発しました。
- 所属: 慶應義塾大学大学院
- 研究内容: 人工細胞内再構成系の時空間秩序原理を解明する研究。物理学的手法を用いて複雑な細胞系の解析を行いました。
- 所属: 東京大学大学院
- 研究内容: 宇宙の初期における銀河形成の研究。世界初となる理論シミュレーションを実施し、宇宙の風による星の形成メカニズムを示しました。
生命科学部門
- 所属: 岩手大学大学院
- 研究内容: ネコ科動物のマタタビ反応に関する研究。生存戦略に関連する独創的な発見を行いました。
- 所属: 名古屋大学
- 研究内容: 天然アミノ酸による化学的遺伝情報伝達系の研究。人工生命創製への新たな道を切り開く成果が評価されました。
- 所属: 東京大学大学院
- 研究内容: 心拍数調整に関する研究。ラットの心拍調整の可能性を示し、医療応用への道を拓きました。
20年間の歴史
この奨励賞は、過去20年間で75名の女性科学者を支援してきました。選考委員会は毎年高い質の研究成果から受賞者を選出しており、このプログラムを通じて日本の女性科学者のキャリア発展に寄与しています。
新たな取り組み
今大会では、受賞者数を通常の2名から3名に増やし、より多くの才能を評価しました。また、受賞者の実績を紹介する記念誌を作成し、若い世代の女性たちに理系の道を選ぶきっかけを提供することを目指しています。
特別な授賞式
20周年記念の授賞式は関西で初めて行われ、多くの注目を集めました。在京都フランス総領事館のサンドリン・ムシェ総領事から祝辞もありました。
さらに、俳優のいとうまい子さんに特別賞が授与され、彼女のキャリアパスが参加者に大きな刺激を与えました。いとうさんは、年齢やキャリアに縛られずに科学の道を歩む姿を示し、出席者にインスピレーションを与えました。
未来への展望
日本ロレアルはこのプログラムを通じて、引き続き女性科学者を支援し、彼女たちの才覚が発揮される場を提供していくことを約束しています。科学界の多様性を促進するため、今後も未来の世代に向けた取り組みを進めていく所存です。