広島・長崎から80年、核兵器廃絶への強い願い
赤十字国際委員会(ICRC)のミリアナ・スポリアリッチ総裁と日本赤十字社の清家篤社長が、広島・長崎の被爆から80年を迎えた今、共に核兵器廃絶の重要性を訴える声明を発表しました。この声明は、核兵器による人々への影響と、引き続き残るリスクを強く認識させる内容となっています。
核兵器の惨禍とその記憶
広島と長崎に投下された原爆の犠牲者は、瞬時にして何万人もの命を奪いました。その後も、放射線の影響で苦しむ人々が増え続け、現在の死者名簿には54万人以上が登録されています。毎年その数は増加を続けており、被爆者たちは肉体的および精神的な苦痛に日々向き合っています。日本赤十字社の医療機関では、いまだに放射線に起因する病気を抱える方々が治療を受けており、核兵器の恐ろしい後遺症が続いているのです。
増大するリスクと核兵器の現状
声明では、核兵器が意図的または偶発的に使用される危険性が高まっていると指摘されています。過去80年の間に、核兵器の数は増え、その威力も着実に強化されてきました。今日、広島に投下された原爆と同程度の破壊力を持つ小型核兵器が存在していることは、我々にとって脅威です。核兵器の使用は人類にとって壊滅的な結果をもたらす可能性を秘めており、特に人口密集地域での使用は、十分な人道的支援を実施することが不可能になります。
国際社会への呼びかけ
かつての広島G7サミット前に、両首脳は国際社会に向けて核兵器廃絶を求める声明を発表しました。しかし、核軍縮は進むどころか、むしろ軍事戦略や安全保障政策において核兵器がますます重視されている現実があります。核兵器の改良や新たな配備が進む中、希望は失われてはなりません。
核兵器のない世界を求める声は多くの国から上がっています。核兵器禁止条約(TPNW)の批准国は73カ国に達し、さらに25カ国が署名を行っています。
誓いの重要性
私たちは、新たにすべての国に対し、核兵器の使用や威嚇を決して行わず、そのリスクを低減させるための措置を講じ、核兵器禁止条約の批准を推進し、完全廃絶へ向けた努力を続けることを強く求めます。さらに、核兵器が一般市民に与える深刻な被害を決して忘れることのないよう、教育を通して次世代にその危険性を確実に伝えることも各所に求めています。
私たちの未来が平和であるために、再びこの声を届けることが、赤十字の使命でもあります。