瀬戸内渚フォーラム、地域との連携で海洋資源を守る
株式会社イノカが設立した「瀬戸内渚フォーラム」は、瀬戸内海の海洋資源を保全し、持続可能な活用を実現することを目的としています。2024年9月の設立から、地域の中高生を対象とした教育イベントや、アカデミアとの連携による藻場調査を行っており、今回新たに香川県の観音寺市、土庄町、三豊市が参加することとなりました。これにより、フォーラムは広島県の三原市を含む4つの自治体と連携し、地域社会とのさらなる協力を強化していく方針です。
各自治体の特徴と優れた自然環境
香川県観音寺市 は燧灘に面し、豊かな水産資源がそろう地域です。自然豊かな「琴引公園」などがあり、そこには多様な生物が生息しています。
香川県小豆郡土庄町は、瀬戸内海に浮かぶ小豆島の北西部に位置し、温暖な気候でオリーブなどの栽培が盛んです。この町はエンジェルロードという観光名所もあり、独特の景観を形成しています。
香川県三豊市においては、父母ヶ浜という美しい干潟が存在し、ここは観光客にも人気のスポットです。これらの町の参加により、地域全体で瀬戸内海の資源の保全と利用が期待されます。
瀬戸内渚フォーラムの使命と活動
本フォーラムは、海藻や干潟が生物の生息地や産卵地となる「海のゆりかご」としての重要性を認識し、地球温暖化や沿岸開発の影響で失われつつある藻場を再生するための取り組みを行っています。1960年代から1990年代にかけて約7割の藻場が消失した背景を持ち、現在も減少が続く中、異なる分野からの参加者が集まり、知識や技術を共有することで具体的な保全策を講じています。
フォーラムでは、環境移送技術®という革新的な手法を利用して、海のデータを定量的に収集できる仕組みを構築しています。その結果、多くの参加者が持続可能な海洋資源の新しい活用方法を模索し、地域社会において海洋資源の価値を再認識してもらう活動に力を入れています。
具体的な取り組み計画
瀬戸内渚フォーラムでは、以下のような計画を進めています:
1.
藻場調査:現地の土壌や水質の評価を行い、藻場の健康状態を把握します。
2.
海藻の飼育条件特定:環境移送技術®を用いて、海藻に最適な環境条件を研究します。
3.
教育フォーラム:地域住民や学生への教育を通じて海洋資源の重要性を啓発し、保全への共通認識を深めます。
4.
企業との連携:企業の資産を活用し、海洋資源の再生や活用に向けて研究を進めます。
5.
海藻の育種:藻場の再生に適した海藻を育成し、新しい再生方法を模索します。
6.
製品化研究:海藻から抽出される有用成分の研究を進め、化粧品や薬品の開発に繋げます。
結論
「瀬戸内渚フォーラム」は、地域の人々との協力を通じて、豊かな自然環境を守り、持続可能な発展を目指しています。地域の次世代を育成するための教育活動も重要な柱となっており、地域資源の保護と再生に貢献することを目指しています。今後も実施される現地調査や活動を通じて、瀬戸内海の地域における海洋資源を再生し、持続可能な未来を築いていくでしょう。