ソフトバンクが新たに導入する本人確認サービス
サイバートラスト株式会社が、ソフトバンク株式会社に対して、お客様の本人確認を支援する新しいサービスを提供することを発表しました。この「iTrust 本人確認サービス」の導入により、携帯電話の申し込み時の本人確認が大幅に簡素化され、顧客の利便性を向上させるだけでなく、不正対策にも寄与することが期待されています。
1. 本人確認サービスの背景
近年、携帯電話を利用した特殊詐欺の増加が社会問題となっており、2024年の警察庁の統計によると、特殊詐欺の認知件数は前年より大きく増加しています。これは、偽造書類の使用や本人確認の甘さが主要な要因です。このような背景から、2026年以降に施行される携帯電話契約に関する法律(携帯法)の改正が不可欠とされています。
2. iTrust 本人確認サービスの仕組み
「iTrust 本人確認サービス」は、マイナンバーカードに搭載されたICチップを利用して本人確認を行います。具体的には、サイバートラストとの提携会社であるLiquidが提供する「LIQUID eKYC」と組み合わせることで、顔写真とICチップの情報を照合するプロセスを実現します。
このサービスの導入により、オンラインでの申し込み時に必要な基本情報(氏名、住所、生年月日、性別)の入力が省略可能となり、本人確認書類の撮影も不要になります。これにより、手続きが迅速に行えるようになります。
3. 不正対策の強化
ICチップから読み取った情報の署名検証によって、偽造カードの使用を防ぐ仕組みが整います。特に、マイナンバーカードの不正使用を防ぐための顔認証技術も活用されるため、より厳格な本人確認が実現します。また、これによりサービス提供者側の審査負担も軽減され、業務効率が向上する見込みです。
4. 今後の展開
このサービスは、2025年の夏から順次導入される予定ですが、2026年4月から施行される法律改正に対応する形で、オンラインでの厳格な本人確認が一般的になる見込みです。これにより、顧客は安心して携帯電話の契約手続きを行えるようになります。
5. 企業の取り組み
サイバートラストとLiquidは、このように公的個人認証とeKYCを活用した厳格な本人確認の推進を目指しており、利用者の利便性向上のための取り組みを続けています。また、今後も新技術の導入を進め、さらなるセキュリティ対策の強化を行っていく計画です。
この新サービスによって、ソフトバンクは不正契約の防止だけでなく、利用者が快適に携帯電話を利用できる環境を提供することに挑戦しています。特に、今後の法改正に向けてこの取り組みがどれほど効果的かが注目されます。いずれにせよ、技術と法律の変化が、私たちの日々の通信生活にどれほど影響を及ぼすのか、これからの展望が楽しみです。