AIで見える市民の声
大都市大阪では、市民の声を把握するためにAI技術が活用されています。テックタッチ株式会社は大阪市のデジタル統括室との協力により、市民ニーズをデータに基づいて把握する新しい手法を実証しました。この取り組みは、EBPM(Evidence Based Policy Making)の推進の一環として行われました。
プロジェクトの概要
この実証研究は、SNSにおける市民の投稿から妊娠・子育てに関連する声を分析することを目的としています。具体的には、全国の妊娠・子育て当事者の投稿1,000件を調査し、AIエージェント「AI Central Voice」を用いて、市民のニーズを抽出。これにより、従来のアンケート調査では見えなかった市民の「本音」を浮き彫りにしました。
実証実験の背景
この実証実験は、大阪市とテックタッチが2025年9月に締結した連携協定に基づくものです。従来、行政が市民のニーズを把握するためには年間のアンケートや意見送信フォームに頼ることが多く、日々の生活における困難やニーズの把握には限界がありました。これに対抗する形で、AIを活用してリアルタイムで市民の声を反映・可視化することが期待されています。
AIによる市民ニーズの分析
1.
多角的なニーズの抽出
AIはSNS上の膨大な投稿から、日常的な困りごとや期待に関する声を自動で抽出。その分析結果に基づき、潜在的なニーズを明らかにしました。
2.
施策立案の支援
抽出されたニーズをもとに、AIが施策の方向性や具体的な提案を提示しました。これにより、施策案に対する議論を促進し、思考の質を向上させる可能性を探りました。
3.
実用性評価
デジタル統括室の職員によるアンケートを実施し、AI報告書の有用性や信頼性を評価しました。結果として、職員の85%がAI分析を「市民の意見」として受け入れることができると回答しました。
AI導入の課題
実証実験を通じて、AIの導入には幾つかの課題も明らかになりました。特に、AIによる情報の不正確性やデータの代表性の確保について注意が必要です。また、職員のデータリテラシーを高めることで、AIの分析結果を効果的に活用する体制を整えることも重要です。
実証実験の成果
今回のプロジェクトにより、AIによって日常生活のニーズに関する洞察が得られ、従来の調査方法では気づかなかった問題に対する具体的な施策案が候補として提案されました。例えば、産後の食事問題に対する地域連携の施策が提案され、日々の生活の質を向上させるための具体的なアプローチが示されました。
このようにしてテクノロジーが行政における市民の声を可視化し、施策に反映させることが可能になりました。
この考え方は、今後の行政運営においても重要な役割を果たすと期待されています。くれぐれも、AIはあくまで一つの手段であり、最終的な判断は、職員の経験と知識に基づいて行われるべきです。本プロジェクトは、その成功事例としての影響力を持つでしょう。
詳しい報告書は
こちらからダウンロードできます。