高齢者を救う新たな音楽体操「ボイスサイズ®」の挑戦とは
最近、高齢者向けの新しい発声エクササイズ「ボイスサイズ®」が注目を集めています。このプロジェクトは、株式会社ボイスクルエンタテインメントが展開するもので、誤嚥性肺炎の予防を目的に、全国の高齢者施設を訪れるというユニークな取り組みです。特に、誤嚥性肺炎は高齢者の主要な死亡原因の一つとして知られ、多くの人がその危険性をあまり理解していない現状があります。
誤嚥性肺炎を防ぐ「ボイスサイズ®」
「ボイスサイズ®」は、作曲家である加賀爪忠勝氏が、自身の祖母を誤嚥性肺炎で失った経験を元に開発した音楽に基づくエクササイズです。喉、舌、肺を鍛え、楽しく嚥下機能を強化することを目的としています。これは、ただの体操ではなく、音楽のリズムに合わせて行うことで高齢者が楽しみながら身につけやすい特徴があります。
若者たちの全国旅
若手インストラクターたちは、自らワゴン車を運転し、全国50ヶ所の高齢者施設を訪れ、高齢者や介護職員と交流を深めます。この「誤嚥退散の旅」では、地域住民と共に行う声体操が行われます。これにより、参加者は深呼吸や声の発声練習を通じて、心も身体も元気になれる時間を提供することが目的です。
楽しく参加できる体操
ボイスサイズでは、風船や吹き戻しを道具として使用するなど、参加者が楽しめる工夫がされています。「フクロウさん体操」や「悪代官体操」などのユニークな名字が付いた体操もあり、参加者が気恥ずかしさを感じずに取り組める点が魅力です。過去の体験会では、参加者から「声が出しやすくなった」「笑いながら体を動かせて元気になる」という声が多く寄せられ、皆が楽しい時間を共有しています。
地域社会からの温かい反応
このプロジェクトは、地域の自治体や介護施設からも大きな支持を受けています。「ぜひうちの町にも来てほしい」という声が寄せられるなど、地域全体で活動を応援する姿が見られます。加賀爪氏は、「祖母のような思いを他の家族にさせたくない」という強い想いから、2019年からこの活動を続けてきたと語ります。
クラウドファンディングによる支援
この「ボイスサイズ®」の全国キャラバンを実現するため、プロジェクトチームはクラウドファンディングに挑戦します。目標金額は200万円で、集まった資金は訪問に必要な旅費や運営費に充てられる予定です。支援者には感謝の気持ちを込めたお礼や、体験会への招待なども計画されています。
若者から発信する健康寿命の延伸を目指す「誤嚥退散ワゴン」は、全国の高齢者に笑顔と元気を広げていくことでしょう。高齢者自身が楽しく健康づくりを続けられるための新たな試みとして、多くの人々に広まっていくことが期待されます。