温水洗浄便座の経年劣化とその危険性
夏の暑い日、冷たい便座が気持ち良いと感じるかもしれませんが、実はその冷たさが故障のサインかもしれません。温水洗浄便座は1967年に日本で初めて登場し、以来多くの家庭で愛用されてきました。特に2016年にはその普及率が80%を超えており、水洗化された家庭のほとんどに設置されています。しかし、この普及に伴い、古いモデルが増加しており、その経年劣化が引き起こす事故が問題視されています。
温水洗浄便座は電気製品であることの認識
温水洗浄便座は電気製品です。電気製品には寿命があり、特に長期間使用している場合、内部部品の劣化や故障が発生するリスクが高まります。このため、日々の点検が重要になります。万が一異常を見つけても、そのまま使用を続けることは非常に危険です。放置すると最悪の場合、火災事故を引き起こす恐れがあります。
経年劣化による事故の発生状況
独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)が提供したデータによると、2014年から2023年の10年間内に温水洗浄便座に関する事故が69件発生しており、そのほとんどが製造から10年以上経過した製品によるものです。特に、内部部品の経年劣化や故障を放置していることが事故の主要な原因とされています。
事故の具体例
例として、2016年6月に愛知県で発生した事故では、約16年の使用後に発煙が生じました。原因は便座コードの屈曲によるもので、発熱と発煙が確認されました。また、2022年には東京都で、故障した洗浄ノズルが原因で出火した事例も報告されています。
定期点検の重要性
温水洗浄便座を安全に使用するためには、以下の点に注意して定期的に点検を行うことが求められます。
- - 異常や故障を見つけた場合は、即座に使用を中止する。
- - お手入れの際は正しい洗剤を使うこと。
- - 使用中の製品がリコール対象ではないか確認すること。
これらのポイントを押さえて、事故を未然に防ぐために日々の点検を行いましょう。
異常を放置しないためのチェックポイント
異常や故障を発見した場合は、まずは止水栓を閉め、電源プラグを抜いて使用を中止します。その後、購入した販売店やメーカーに連絡し、適切な対応を受けることが必要です。また、NITEの提供する「NITE SAFE-Lite」というウェブ検索ツールを活用することで、特定の製品に関連する事故情報やリコール情報を確認することができます。
まとめ
温水洗浄便座は私たちの生活を快適にする重要なアイテムですが、電気製品であることを忘れず、日常的な点検を行うことが求められます。経年劣化により引き起こされるリスクを軽減するために、製品の寿命や異常に敏感であることが重要です。適切な管理を心がけ、安全な使用を続けていきましょう。