インテックが発表した新システムの全貌
株式会社インテック(富山県富山市)は、北陸電力と協力し、電力需給のバランスを最適化するための「エネルギーリソースアグリゲーションシステム」を開発しました。このシステムは、2025年春以降、事業者向けのクラウドHEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)サービスとして提供される予定です。
背景
インテックは、エネルギーの効率的な利用を促進するため、2024年6月から北陸電力との協業を開始しました。これにより、分散型エネルギーリソースを束ねて仮想的な発電所として機能させることで、再生可能エネルギーの活用を推進し、電力システムの効率化を図ることを目的としています。また、インテックは電力の使用量を調整するデマンドレスポンス(DR)の実施に向けて、実証実験を進めてきました。
エネルギーリソースアグリゲーションシステムとは
この新しいシステムは、消費者が持つエコキュートや蓄電池といった分散型エネルギーリソースをリモートで管理し、制御するためのものです。以下のポイントが主な特長です:
- - マルチメーカー対応:国際標準規格に対応し、様々なメーカーのエネルギーリソースをクラウドで一括管理。
- - スケジュール登録機能:電力事業者は、消費者の住居にあるエネルギーリソースのDRスケジュールを登録可能。
- - スマートホーム連携:インテックのスマートホームコントローラーアプリ「UCHITAS Connect」を通じて、テレビを駆使したリモートコントロールが実現されます。
事業者向けクラウドHEMSサービス
このシステムは、エコキュート、蓄電池に加え、エアコンや照明、電気自動車の充放電器も制御対象です。Web APIの機能により、他の事業者とのシステム連携が容易になり、ネットゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)への対応も期待されています。消費者は、事業者にエコキュートや家電の制御権を委譲することで、電気料金の割引やポイント還元、スマートホーム機能の利用といったメリットを享受できます。
北陸電力の支援と期待
北陸電力は、「UCHITAS Connect」を活用したこの新システムがカーボンニュートラルの実現に寄与し、地域の発展に大いに貢献することを期待しています。電力事業が持つ強みとデジタル技術を活かし、業界全体の進化を目指していきます。
ENEX2025での紹介
インテックは、2025年1月に東京で開催される「ENEX2025」に出展し、本システムの詳細を紹介する予定です。展示ブースは、東京ビッグサイトの東1・2ホールで、様々な新技術とともに、電力業界の未来に関するパネルディスカッションも行います。
このように、インテックは新たなエネルギー管理システムの開発を通じて、持続可能な社会の実現に向けて大きな一歩を踏み出しました。消費者、電力事業者双方にとって、利便性向上が期待されるこのシステムは、今後のエネルギー管理に革新をもたらすでしょう。