非可食植物とSAF
2024-10-16 01:25:10

非可食植物から生まれたSAFの未来を拓く研究成果

近年、航空業界のCO2排出量削減に向けた取り組みが活発化しています。中でも、持続可能な航空燃料(SAF)の供給が重要な課題とされており、その実現に向けてさまざまな研究開発が進められています。そんな中、株式会社J-オイルミルズが新たな一歩を踏み出しました。同社は、非可食植物であるテリハボクからSAF成分を含む油の生成に成功したと発表しました。

この取り組みは、2022年度にNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)による公募事業の一環として行われ、食料と競合しない植物油脂を用いたSAFのサプライチェーンモデル構築を目指すものです。テリハボクは日本国内では主に沖縄で見られる亜熱帯植物で、その種子には油分が豊富に含まれています。具体的には、テリハボクの種子には約40%から50%の油分が含まれ、これがSAFの原料としての利用を可能にします。

研究では、テリハボクの種子から搾油、精製および水素化のプロセスを踏むことで、実際にSAF成分を持つ油を生成することに成功しました。これらの成果は、10月に横浜で開催された「BioJapan2024」において発表され、多くの注目を集めました。同社は、今後SAFの国際標準であるASTM規格への適合を目指し、環境認証のCORSIAに登録するための取り組みも進めていく予定であるとしています。

テリハボクは、乾燥地や塩分の多い土地でも栽培できるため、既存の食料用農地とは競合しません。これによって、SAFの原料としての価値が高まるのです。J-オイルミルズは、これまで食用植物油の製造で培ってきた経験・技術を活用し、この非可食植物を活用した研究を行っています。

SAFの安定供給は、航空業界が直面する大きな課題の一つです。化石燃料に依存しない燃料の供給は、地球温暖化対策や環境保護の観点から必要不可欠とされています。特に、食料と競合しない原料の活用は、持続可能なサプライチェーンを構築する鍵となります。

J-オイルミルズは、テリハボクの研究に注力することで、持続可能な航空燃料の開発に寄与すると同時に、国内のバイオ燃料市場の発展にも貢献したいと考えています。さらなる研究開発を進め、環境に優しく、効率的なSAFの供給体制を確立していくことが期待されます。貴社の取り組みは、今後の航空業界の変革に大きな影響を与えることでしょう。

株式会社J-オイルミルズは、日本国内における味の素グループの一員として、食用油の開発・製造を行っています。創立から20年を迎える同社は、製品の多様化と高品質な油脂製品の提供を持続可能な方法で進めており、環境負荷の軽減を目指しています。


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会社情報

会社名
株式会社J-オイルミルズ
住所
東京都中央区明石町8番1号 聖路加タワー
電話番号
03-5148-7100

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