学術の独立性と学会
2020-12-01 12:00:33

学術の独立性を守るための声明発表と医療学会の動き

学術の独立性を守るための声明発表と医療学会の動き



日本学術会議に関する最近の出来事が、学術コミュニティ内で注目されています。特に、第25期の新規会員任命が政府によって見送られたことは、学術の独立性への重大な影響を及ぼすとされています。

日本学術会議法の理念



日本学術会議法の前文には、科学が文化国家の基礎であるとの確信が明記されています。この会議は、科学者たちの意見をもとに、平和的復興や人類社会の福祉に貢献することを使命としています。また、同法第3条には独立した機関としての役割が明確に定められており、これが日本学術会議の重要な根拠となっています。

今回の政府による新規会員任命に対する介入は、これらの理念を脅かすものとなり、開かれた意見交換が行われないままの方針変更は、学術界の構造を不透明にし、過去の反省を無視するものとして強い懸念が示されています。これに伴い、医療に関係する複数の学会が共同で声明を出す運びとなりました。

医療系学会の反応



日本医学会連合会の会長、門田守人氏は、「日本学術会議の独立性が損なわれることは看過できない」とし、今回の問題の重要性を訴えました。彼は、「学術の独立性の確保は、医療に関わる全ての学会の責任である」と強調しています。

日本歯科医学会連合の住友雅人理事長も、この問題に言及し、「政府の介入は学術の独立性に対する大きな脅威だ」と発言しました。彼は、学術の多様性を重んじ、歯科医学界における独自の立場を維持する必要があると強調しています。

日本薬学会の会頭である髙倉喜信氏も声明を発表し、今回の事態を極めて遺憾な出来事と受け止めています。彼は、「政府による任命の介入が学術の独立性を脅かす」と警鐘を鳴らしました。

日本看護系学会協議会の会長、小松浩子氏は、看護学の発展と学問の自由の侵害が懸念されると述べ、具体的な任命拒否の理由を求める声を上げています。

このように、医療系の学会が一同に会し、学術の独立性を守るために行動を起こすという前例のない動きが始まりました。

医療系学会協議会の設立へ



今回の事態を機に、医療系学会間での横断的な協議会の設立が合意されました。これにより、今後の医療に関する課題について意見交換を行い、必要に応じて提言や声明を発出することが目的です。この協議会によって、学術界の連携がさらに深まることが期待されています。

結論



日本学術会議の新規会員任命見送りに対する反応は、学術界の独立性を守るための重要な一歩となっています。政府の介入が学術の自由を脅かさないよう、今後も関係者の連携が不可欠です。学術の進展と社会貢献のためには、広範な意見交換と透明性の確保が求められています。これからの動きに注目が集まる中、医療系学会の連携強化が果たす役割には大いに期待が寄せられます。

会社情報

会社名
一般社団法人日本医学会連合
住所
東京都文京区本郷3-28-8 日内会館8階
電話番号
03-6240-0405

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