パロマ・リーム、富士通ゼネラルを完全子会社化へ:空調・給湯の世界大手が一枚岩で未来を拓く
空調・給湯分野で世界をリードするグローバル企業、株式会社パロマ・リームホールディングスが、株式会社富士通ゼネラル(東証:6755)に対する公開買付け(TOB)を無事に終了し、その成立を発表しました。これにより、富士通ゼネラルは、2025年8月下旬の予定でパロマ・リームの完全子会社となることが確定しました。この戦略的な動きは、激化するグローバル市場において、両社の競争力を飛躍的に向上させる可能性を秘めています。
今回の公開買付けでは、富士通ゼネラルの発行済み普通株式の約46.56%が応募され、当初設定された買付予定数の下限を上回ったため、本TOBは成立に至りました。パロマ・リームは、応募されたすべての株式を取得する予定です。今後のプロセスとして、残りの株主に対するスクイーズアウト手続きが実施され、富士通株式会社が保有する富士通ゼネラル株式も自己株式取得を通じて売却されることで、最終的にパロマ・リームが富士通ゼネラルの全株式を保有する体制が整えられます。これにより、かつて独立した上場企業であった富士通ゼネラルは、パロマ・リームグループの一員として、新たな歴史を歩み始めることになります。
パロマ・リームホールディングスは、「Air & Water(空調と給湯)」を事業の柱とする世界有数の企業グループです。そのルーツは、1911年に日本で創業し、114年もの長きにわたり大手ガス器具メーカーとしての地位を築き上げてきた「パロマ」と、1988年にパロマが買収し北米市場参入の足がかりとした「リーム」にあります。この統合により、パロマ・リームは空調機と給湯器の両分野で世界的なリーダーシップを確立しました。現在、彼らは世界15カ国に拠点を持ち、85カ国で事業を展開する真のグローバル企業です。約19,000人の従業員を擁し、36の製造拠点と17の研究開発拠点を世界中に配置しており、その事業規模は圧倒的です。2024年12月期には約1兆円のグループ売上高と約1,000億円の営業利益を計上するなど、強固な財務基盤も持ち合わせています。両社は長年の経験とノウハウを活かし、地球規模でのより良い空調・給湯製品の提供を目指し、中長期的な視点での成長投資を積極的に実行しています。
富士通ゼネラルの持つ優れた空調技術と、パロマ・リームが培ってきたグローバルな販売網、研究開発力、そして強力なブランド力が融合することで、どのようなシナジーが生まれるのか、業界内外から大きな注目が集まっています。特に、エネルギー効率の高い製品開発やスマートホーム連携など、今後の空調・給湯市場を牽引する技術革新において、両社の連携が決定的な役割を果たすことが期待されます。また、パロマ・リームの多角的な製造・開発拠点と富士通ゼネラルの専門性が結びつくことで、より迅速な新製品投入やコスト効率の改善も視野に入ってきます。
この完全子会社化は、単なる企業の買収に留まらず、世界の空調・給湯産業における勢力図を塗り替える可能性を秘めた戦略的な再編と言えるでしょう。パロマ・リームは、今回の統合を通じて、製品ラインナップの拡充はもちろんのこと、先進技術の研究開発を加速させ、顧客への提供価値を最大化することを目指しています。市場の変動が激しい現代において、強固な基盤を持つ企業同士が手を取り合うことで、持続的な成長とイノベーションの創出が加速されることが期待されます。世界の住宅・商業施設における快適な環境創造に、パロマ・リームと富士通ゼネラルの新たな挑戦がどのような貢献をしていくのか、今後の展開から目が離せません。
会社情報
- 会社名
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株式会社パロマ・リームホールディングス
- 住所
- 東京都千代田区丸の内1丁目8番3号丸の内トラストタワー本館7階
- 電話番号
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03-5224-8600