江戸手描友禅の魅力が詰まった伝統工芸展
2023年10月5日から12月8日まで、東京都板橋区の区立郷土資料館で、「第21回板橋区伝統工芸展」が開催されます。本展では、「江戸手描友禅 寺澤森秋-時代を彩る染と技-」として、著名な友禅染の技術と芸術性を紹介します。
友禅染の歴史と技法
友禅染は、絹に模様を描いた後、特製の染料を用いて色を挿すという洗練された技法です。この技法は江戸時代に考案され、日本の伝統的な装いを美しく彩ってきました。特に寺澤森秋氏は、その技術と芸術性を継承し続ける重要な存在です。
寺澤森秋氏の軌跡
寺澤森秋氏(昭和21年生まれ、長野県)は、10歳の時に友禅染の魅力に引き込まれました。19歳で上京し、日本橋の「中央染芸」で修行し、26歳で独立。以降、板橋区にて「弥生染芸」を設立し、多くの友禅作品を生み出しています。
彼の作品は多くの展覧会で評価され、特に東京都工芸染色協同組合のコンクールでは最高賞を繰り返し受賞してきました。さらには、東京都優秀技能者としての認定や、現代の名工としての栄誉も得ています。最近では、黄綬褒章と板橋区政功労者の称号も手にしました。彼は技術の継承にも尽力し、教室を開くなど若い世代への指導にも力を入れています。
展覧会の内容
本展では、寺澤氏の作品を通じて、昭和、平成、令和のそれぞれの時代における彼の職人としての成長を紹介します。来場者は、彼の作品から直接その魅力を体感できるでしょう。
イベント情報
さらに、会期中には寺澤氏が講師を務める「友禅の彩色バンダナづくり」のワークショップや、東京国立博物館の小山弓弦葉氏による講演「友禅染の歴史―その技とデザイン―」も開催予定です。これらのイベントは要申し込みで参加できますので、興味のある方はぜひ事前にチェックしてください。
展示スケジュール
- - 会期:2023年10月5日(土)~12月8日(日)
- - 第一期:10月5日(土)~10月27日(日)
- - 第二期:10月29日(火)~11月17日(日)
- - 第三期:11月19日(火)~12月8日(日)
- - 会場:板橋区立郷土資料館 2階企画・特別展示室
- - 休館日:月曜日(10月14日、11月4日は開館し、10月15日、11月5日は休館)
- - 入館料:無料
この機会に、江戸手描友禅の素晴らしさを体感し、伝統技術の魅力を存分に味わってみてはいかがでしょうか。