新潟大学附属長岡小学校が導入した読書支援サービス『読書館』の全貌

新潟大学附属長岡小学校が、ITシステム開発を手がける株式会社エスペラントシステムの提供する読書支援サービス『読書館』を導入しました。この取り組みは、電子書籍の利点を最大限に活かし、子どもたちの読書活動を支援することを目的としています。

読書館の導入背景

新潟大学教育学部の足立研究室は、読書指導における研究を進めており、この一環として長岡小学校で様々な読書手法を実践しています。従来の紙の書籍を前提とした読書活動には、多くの準備や管理の負担があり、特に人数が多いクラスでは、その運営は困難を伴っていました。さらに、電子図書館でも貸出や返却の手続き、同じタイトルの書籍を複数人が同時に利用できないという課題が残されていました。

そこで、『読書館』の導入が正式に決まりました。これは読書手法の実践を容易にし、電子書籍の利点を活用した新たなアプローチを生み出すことに期待されています。

読書館がもたらす新しい可能性

足立教授は読書館の導入について、「全員が同じ書籍に触れることができ、実践が容易になる」と語っています。また、読書活動のつながりを広げる機能についても期待を寄せています。利用者は自分の作品を掲載したり、感想文を執筆することもできるため、創作への意欲も高まります。これにより、子どもたちが主体的に読書に取り組む環境が整うのです。

読書館の特徴

読書館は、約17,000冊の電子書籍を提供し、いつでもどこでも利用できる環境を実現しています。特に、特に小規模校でも公平に読書機会を提供できることが特徴的です。以下に主な特徴を挙げます：

- 読書の貸出概念が無く、本の返却待ちがない。
- クラス全員が同時に同じ本を読むことができる。
- 簡単な操作で本を読むことが可能。
- 地域の書籍や利用者のオリジナル作品の掲載が可能。

また、読書量の分析機能や感想文の記録、マーカーやメモの機能も備えており、個々の読書履歴を振り返ることができるため、自己学習を促進します。

今後の展望と期待

足立教授は「新たな読書インフラをどう活かしていけるのかを、自らの研究やエスペラントシステムとの交流を通じて模索していきたい」とコメントしています。これは、読書を通じて子どもたちの学びや成長をどのように豊かにできるかを問い続けていく姿勢の表れです。

『読書館』は、読書データを活用し、学力との関連を探求するための協業も進める予定です。また、SDGsにも配慮し、紙を使わないことで地球資源の保護にも寄与します。