光通信の革新
2025-10-22 14:07:47

地上-衛星間光通信の未来を切り拓く誤り訂正技術の成功

地上-衛星間光通信における新たな技術の成功



地上-衛星間光通信の研究が、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)と名古屋工業大学の共同努力により、重要な成果を上げました。彼らはNASAとともに、地上から衛星に至る光通信において、大気ゆらぎから生じる影響を克服するための次世代誤り訂正符号の伝送を世界で初めて成功させました。この技術革新は、通信品質の向上を可能にし、更なる実用化への道を開くものと期待されています。

緊急の課題


このプロジェクトは、特に地上-衛星間の通信における大気のゆらぎがもたらす影響に注目しました。実験では、大気ゆらぎが数ミリ秒から数十ミリ秒ものフェージングを引き起こし、誤りデータの連続発生を引き起こし、通信の信頼性を大幅に低下させることが確認されました。これを解決するために、従来の技術に代わり誤り訂正符号を使用することが決定されたのです。

実験の実施


実験では、NICTの1メートルの光地上局と、JAXAが運用する光データ中継衛星(LUCAS)を活用しました。地上-静止衛星間の通信において、60Mbpsのダウンリンクを利用し、高い誤り訂正能力を有する次世代誤り訂正符号、すなわち5G NR LDPCとDVB-S2を特に選択し、実施されました。

実験においては、これまで得られた大気ゆらぎに関する知見をもとに、インタリバと誤り訂正符号の調整が行われ、誤りデータの効果的な処理が実証されました。その結果、通信品質の向上が確認され、5G NR LDPCとDVB-S2の誤り訂正能力の高さがテストによって証明されたのです。

今後の展望


今回の成果により、地上-衛星間通信の品質が大幅に向上し、5G通信プロトコルや衛星放送へもその技術を応用することが可能になります。この発展は、未来の通信インフラにおいて重要な役割を果たすと期待されています。

2025年10月28日には、国際的な宇宙光通信に関する会議(ICSOS 2025)で、この成果が広まることが予定されています。

各機関の貢献


この成果は、NICT、名古屋工業大学、そしてJAXAの協力によって実現しました。NICTは誤り訂正符号やインタリーバの詳細な検討と運用を担当し、名工大は誤り訂正符号データの生成や復号解析を実施、JAXAは実験運用計画の立案を行いました。各機関の連携によって、今回の画期的な実験が成功を収めたのです。

このように、地上-衛星間光通信の技術革新が実を結ぶことにより、我々の未来の通信インフラがどのように変わっていくのか、その進展を見守りたいものです。


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