株式会社杉孝の足場BIM活用支援サービスの展開
建設業界における人手不足は深刻な問題となっています。この実情を受けて、株式会社杉孝(SUGIKO)は、足場BIM(Building Information Modeling)をより現場に活用するための支援サービスを提供し、顕著な成果を上げています。2025年にはサービスの採用件数が前年同期比で121%に達し、この分野における需要の高まりを示しています。
SUGIKOの取り組み
SUGIKOは、2017年からBIMを導入し、2022年から本格的に支援サービスの提供を開始しました。この間、働き方改革や国土交通省によるBIM適用推進の影響もあり、2023年からは年間対応件数が毎年1.3~1.5倍に増加する流れとなっています。
特に注目すべきは、SUGIKOのサービスの大きな特徴です。それは、BIMモデルを納品するだけでなく、すべての現場に専任スタッフである『BIMサポーター』を派遣し、現場でのBIM活用を支援する点です。お客様からヒアリングした内容をもとにBIMモデルを作成し、施工前には『足場施工BIM検討会』を実施します。この会では、お客様、鳶業者、そしてBIMサポーターが集まり、共通の3D図面を元に施工プランを検討します。すべての関係者がイメージを共有し、詳細な組み方まで事前に確認することができるため、施工の精度が向上し、特に外国人労働者との意思疎通にも強力な効果を示しています。
効率向上のための新機能
また、BIM未導入の顧客向けにはBIMのクラウドサービスも提供しています。これにより足場材の数量を自動的に算出することが可能となり、従来の方法に比べて数え間違いを減少させ、作業時間の削減に貢献しています。実際には、1回あたりの作業にかかる時間が約70%も短縮される調査結果も出ています。
さらに、クラウド上で足場の選択をすることで、即座に足場材の重量が計算され、納品車両の計画や効率的な積載の実現にも寄与しています。得られた足場材の数量データは、SUGIKOのweb発注システム「COLA」にも簡単に読み込ませることができるため、発注業務の手間も削減されます。
さらなる課題と効率化の道
一方で、SUGIKOのサービスを導入したお客様の約2割が期待通りの効果を得られていないことが新たな課題となっています。その原因の一つとして、BIMと実際の足場の間に差異があることが指摘されています。このため、SUGIKOは足場の組み立て完了後に差異を確認し、要因を現場の担当者と共に掘り下げていく活動を新たに始めました。このノウハウを活かし、現場でのBIM活用を一層広げるための試みに着手しています。
今後の展望
建設業界においては、BIMを活用した業務効率化が必須となってきています。SUGIKOは今後も知見を豊富にし、サービスの品質向上を目指して努力を続け、現場における「足場BIM」の普及を図っていく方針です。また、BIMを活用した安全対策への挑戦も視野に入れ、さらなる価値提供を志しています。
さらに、SUGIKOが行うBIM関連の施策については、特定のイベントで詳細に解説される予定です。2025年7月17日に開催される「BIM-PLUS.1 Summit 2025」では、SUGIKOの関連部門の課長が登壇し、プロジェクトの進捗や今後の展望についての説明が行われる予定です。このイベントはハイブリッド形式で開催され、オンラインでも視聴が可能です。興味のある方は以下のリンクから詳細を確認してください。
イベント概要はこちら
最後に、建設業界の未来を切り開くSUGIKOの足場BIM活用支援サービスが、今後も多くの現場で生産性を向上させることを期待しています。